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風通しのいい お菓子を食べる

2022.4.21(木曜日) A Rainy Thursday

夫が出社して30分ほど経った頃「スマホを忘れた」と言って帰ってきた。
必死で自転車を漕いで来たのだろう、うっすら汗もかいている。
スマホを手にしてまたすぐに出社した。
スマホを忘れるのは、今月に入ってこれで2度目だ。
やめてくれよ、私より若いのだから私より先に忘れん坊さんになるのは…
「大丈夫?しっかりしてよ」と声をかけると「むにゃむにゃ」と誤魔化すような、意味のわからない言葉を残して行った。
また会社に向かって必死で自転車を漕ぐ姿が目に浮かぶ。

知人がお店を開店するというので先日お祝いを送った。昨日がその開店日だったのだけど、遠方なので直接行くことはできなかった。
無事に開店したかなぁ〜と思っていたら、今日そのお祝い返し(祝菓)が送られてきた。
鶴屋吉信の『つばらつばら』という和菓子だった。
私はこれが大好き。
いつもは自宅用にバラで買うのだけど、頂いた進物用の箱には栞が入っていて『つばらつばら』のお菓子の由来が書いてあった。

浅茅原つばらつばらにもの思へば
故りにし郷し思ほゆるかも

大伴旅人・万葉集 第三巻

この歌が基本にあって『つばらつばら』とうお菓子が誕生したらしい。
「つばらつばら」の言葉の意味は、しみじみと、心ゆくままに、あれこれと、という万葉の言葉らしい。
こうやってお菓子の由来などを読みながらそのお菓子をゆっくり味わうということが最近はほとんどないから少し優雅な気持ちになった。
つばらつばら...…
素敵な言葉だ。

鶴屋吉信・つばらつばら

言葉、そうだなぁ、
昔の言葉には趣のある素敵な言葉がたくさんある。
それらはだんだん使われなくなっていくのは寂しいことだけど、それは時代の流れで仕方ないことだ。現在使われている流行り言葉も数百年後には趣のある言葉となっているのだろうか。
「『マジっすか』って2020年ごろに使われてた言葉らしいよ、趣あるよね」
「『ヤバい』ってどんな時に使ってたんだろうね、響きがいいよね」
なんて会話がAIロボットの間でなされているのかもしれない。そうと思うとなんだか楽しい。

午後から雨が降り出した。
ぽつぽつ
ぱたぱた
ばらばら
と雨は変化している。
天気予報では、夜になると ざばざば と降るらしい。
どうりで、頭が重いわけだ。



読んでいただきありがとうございます。 書くこと、読むこと、考えること... これからも精進します。