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秋立つや ほろりと落ちし 蝉の殻

2021.8.12(木曜日) visit to a grave

いつの間にか蝉も鳴かなくなっていた。いつからという記憶はなく、本当に「いつの間にか...」だ。今頃公園の木々の周りには蝉の抜け殻が数え切れないほど落ちていることだろう。秋の長雨にはまだ少し早いのだろうけど、今日から数日間は雨の予報だ。部屋も照明を付けないといけないくらい薄暗い。こういうの嫌いではない。丁度いい湿り具合だ。

涼しいし、雨も小降りだから夫の家系のお墓参りに行くことにした。車で10分ほどのところにある小さなお寺の中にある墓地には野良猫たちが数匹棲みついていて、春のお彼岸の時に子猫が数匹生まれていた。無事に育っているだろうか...彼らに会うのも楽しみだ。

....彼らには会えなかった。ご住職に猫の様子を聞いたら「皆、元気にしてますよ。今日は雨やからどこかに隠れてるんでしょう」という答えだった。元気ならよろし。また今度会える日が来るだろう。

小雨降る中、花を生け線香を焚くとしっとりとした空気の中に煙が上がり、自然に気持ちがしんなりしてくる。雨の日のお墓参りもなかなかいいもんだなと思った。

途中で買ったおはぎを私の父母、夫の父母の写真の前にお供えした。

ほっとした。お墓参りの後は心地よい疲れが出る。

ソファに座り込んで少し昼寝。

夫がテレビで何かの映画を見ているようで、時々セリフが聞こえて来たがそれより眠気の方が勝っていて、映画が終わるまで私は寝ていたようだ。後で聞いたら「罪の声」という映画だったそうだ。そうか...聞こえていたセリフは小栗旬さんだったんだな。

もう、夕暮れ。

早い。


*タイトル「秋立つや ほろりと落ちし 蝉の殻」は正岡子規の作品を拝借しました。



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