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さよなら、さよなら、またいつか。

2022.2.9(水曜日) at TENMABASHI

天満橋界隈を散策する。

長い間…もう5年以上になるだろうか、お世話になった眼科医のKさんがこの春で大学病院を定年退職される。今月いっぱいの勤務だそうで私の都合ではあるが今日しかお会いできる日がなくてご挨拶のために天満橋の病院に出向いてきた。
診察の合間の短い時間のご挨拶となったが、私の強硬なドライアイを根気よく診てくだ去ったことへの感謝の念を述べた。Kさんも「こちらこそ、長い間通ってくださりありがとう」とおっしゃった。
女医さんだが、はっきり物を言う方で私はとても好きだった。退職されるのは残念だが、「これからまだやりたいことがたくさんあるのよ」とおっしゃってたのを聞いて少し安心した。
「お元気で」「あなたもね」という会話でさよならしてきた。

ここ天満橋は駅から東の方に歩くとすぐに大阪城が見えてくる。中之島がある大川が流れていて、川沿いは春になると桜の名所となる。4.2Kmの間に続く桜並木は圧巻で毎年すごい賑わいになる。
今はビジネスマンが歩いているだけで散歩する人の数は少ないのが寂しい限りだ。川沿いを歩きながら川を行き交う観光船や作業船を見ながら少し散歩した。今年の桜の季節になれば、世間を賑わせているモヤモヤは解決しているのだろうか…と、あまり桜には興味がないこの私でさえこの閑散とした天満橋界隈を見ると思ってしまう。
それと、この街には私のお気に入りの焼き鳥屋がある。焼き鳥ももちろん美味しいのだが、キンキンに冷やした「神聖」という日本酒を飲ませてくれるのが酒好きとしては堪らない。
焼き鳥屋を目指して歩く。
ちょっと覗いてみる。
休業中だった。
残念。

あきらめて1時間ほど散歩した。
昨日よりさらに暖かくてコートを脱いでしまいたい気分になる。
古くあるパン屋(ポンパドール)でパンを買った。ポンパドールの近くのコンビニでペットボトルの紅茶を買った。

春になるとさよならが多い。
でも誰かとさよならして、そして新しい誰かと出会う季節でもある。素敵な人と出会うことを楽しみにしよう。
それにさよならはちょっと寂しいものではあるけれど、縁のある人とは黙っていてもまた再会する(縁のない人とは二度と会うことはないけれど)。
縁があることを願おう。
そして再会したときは、まるで昨日別れたような感じで「こんにちは、お元気?」と挨拶をしよう。
そんなことを考えながら、川沿いのベンチに座り、買ったばかりのパンにかじり付いた。

あぁ、暖かい。
コートを脱いだ。




読んでいただきありがとうございます。 書くこと、読むこと、考えること... これからも精進します。