コントのような部屋に住む
2022.2.28(月曜日) Strange world
早くも2月が終わる。
そしてくしゃみが出る。
昨日は何があったというわけではないが、気分が良く楽しい一日だった。
その楽しさが今日も続けばいいなと思いながら目が覚める。
あたたかい。
春好きにはたまらないだろう。
昨日からの運の良さはまだ多少続いているようで、朝からスケジュール通りにことが運ぶ。朝9時には洗濯・掃除を終えて、歩いて10分くらいのところにあるカフェに向かう。ここの奥まった席が私の現在の書斎と化している。
いずれ飽きるかもしれないが、私の希望する条件に今のところピッタリとあてはまっている場所だ。
いつものようにテンションの低いスタッフが「おはようございます」と挨拶をする。この挨拶もいつもと変わらず私好みで気分がいい。
でも今日は珍客がいた。
カフェミュージックが静かに流れる店内で、ひときわ大きな声でおしゃべりするカップルがいた。5〜6メートル離れた所にいても内容がすべて把握できるくらいに大声だ。
『ニューヨークにいたときは働きやすかったな』
『イタリアはやっぱり食べ物が美味しいからなかなか離れられない』
『ロスにいた時は気候が良すぎて頭がぼんやりしたよ』
『フランスはさ、パリより田舎の方が雰囲気いいよね』
『その点、日本ってさ青山以外はダサいよね』
『あぁ、早くオーストラリアに帰りたいわ』
ここまでくればもうコントだ。
私以外のお客さんもきっと笑いを堪えていることだろう。
そのうち大阪の悪口を言い出した。
自慢話と悪口はセットで付いてくる(これは私の持論だが)
20分くらいそんな本当か嘘かわからない話を聞かされて、『そろそろ出ようか』と言う声が聞こえ、これで静かになるわと一安心したところで最後に出た言葉が『じゃ、今度はニューヨークで会いましょう』だった。
私は笑いを堪えるために横を向いたら横にいたビジネスマンもこっちを向いて笑いを堪えていた。お互いに目を合わせて苦笑いした。
これは通常の会話ではないと思いたい。
きっと新人のお笑い芸人さんがコントの稽古をやっているのだと。
ふたりは手を繋ぎ会話内容のスノッブさとは裏腹に、ゆっくりした歩調で店内をキョロキョロしながら去っていった。
君たちはどこの星から来た何者?
*
静かになっていつもの時間が戻ってきた。
私は大学ノート5ページ分の文章を書き紅茶を3杯飲み、気がついたら12時を過ぎていた。急いでデパ地下で晩ごはんの材料を買って帰宅した。
ちょうど夫が出かけようとしているところに出くわして、「どこに行くの?」と聞いたら「ワクチン、3回目打ってくる」と言って出かけて行った。夫は私より3つ若いが職域接種でかなり早く打てるのが憎らしい。私はざっと計算してもあと1ヶ月ほど先だろう。その頃になるともうオミクロンも落ち着いていることを願う。
30分ほどして副反応用に飲料やアイスクリームを袋いっぱい買って夫が帰ってきた。この人もまたコントの世界に生きている。