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東京事変「永遠の不在証明」劇場版名探偵コナン視点で歌詞考察してみた

映画単体レビューはこっち


公開延期のせいで曲の発表から随分時間が経ってしまいました。
考察は映画公開までの分でそろったようにも思えていましたが、やはり映画を見ると違うものになるようです。

以下、名探偵コナン「緋色の弾丸」の軽いネタバレを含む考察であり、はたして東京事変が映画と名探偵コナンをどこまで読み込んでいるのかは不明なので妄想でもあります。

林檎さん独特の書体、縦書きを使っているので右から読むか左から読むか。歌詞に灰色とあるから左から読めば灰原哀のことになるのではないか。みたいな考察もあるんですが、映画を見て確信しました。
これは「ジョディ・スターリング」を歌った歌詞だと。

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名探偵コナンを見たことない人に軽く説明しますと、コナン世界はよく身分を偽っているので本当の名前が別にあったり変装していたりします。
一見歌詞を見ると新一であるコナンかな?いやいや、沖矢の変装してる赤井かな。などなど色々な考察ができると思いますし、それを否定することは無いのですが、個人的に結論づけました。犯人の曲で、ジョディの曲です。

こう書くとまるでジョディが犯人のようですが、それは違います。
以下思いっきり映画ネタバレ。

今回の犯人。過去の事件で証人保護プログラムを受けています。
名探偵コナンでは幾度か上がったこの制度。
アメリカの制度で、事件などが起こった際身の安全を保障するため、名前を変え、架空の人生を用意し生きていくものです。
もう初期の話になりますが、これを灰原が「ジョディ先生」に提案されます。灰原は組織から抜け出した女性です。ジョディは実はFBIで彼女は幼少期、黒の組織に両親を殺され生き残ったという過去を持っており、この証人保護プログラムを受けています。つまり「ジョディ」という女性は生まれてきてつけられた名前ではないのです。いまだに本名は明かされていません。
灰原はこの制度を拒否するのですが…。
ジョディは助けてもらったFBIに入り、捜査官として生きることを選択しました。

映画終盤、証人保護プログラムを受けているのに復讐をしようとした犯人に、ジョディが語るシーンがありました。原作を知らないとジョディが怒っているだけにも感じ取れるかもしれませんが、深い意味を持つのです。

コナンや灰原、メアリー、赤井といろいろな「仮初の姿」のキャラが出てくる映画ですが、彼らは元の姿に戻る、戻れるかもしれない、戻りたいという意思や選択肢があります。

しかしジョディはもう昔の人生を捨てた存在。一生戻ることはないし、自分で選択をした人生で生きていくのです。
永遠の不在証明。もうこの曲名だけで、彼女を表しているのではないか。そう思って仕方がなく、胸が苦しくなります。

最初に書いた通り椎名林檎様がそこまで原作を読み込んだのかは不明ですが、あらすじを聞いたのかもしれません。犯人とジョディが重なったからこそ、歌詞が合致したのかも。

多分解釈論争はここに帰結するでしょう。

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