サナギ

例えば自分が好きと思うものに触れた時、
私は具体的な感想が上手く伝えられない。

頭の中では感情が揺さぶられて、この人物はこういう考えなんだ、この人たちはこういう関係性なんだ、最後はこうあって欲しいとか、確かに思考しているはずなのに。

SNSでたくさんの人が上手に、文字やimageを以て意志を羽ばたかせているのを横目に私はずっと、それを感知する触覚だけを生やしてからに籠っているみたい。

自己嫌悪だとか恐怖だとか猜疑心だとか、私の首を絞める言葉なら簡単に出てくるのに。

綺麗な言葉を羽化させる人たちが羨ましい。羨ましくて嫉妬すら覚えてそんな自分にまた嫌悪する日々です。


創作に至っては、もう全く「とりあえず手を動かそう」という気力すら起きない。
なのに作りたいという意欲だけはある状態。

サナギは繭の中で一度ドロドロになって、それから成虫になると知りました。

きっと私は今、もうずっとドロドロのサナギで
ドロドロのまま繭の中で肥大化して収拾がつかなくなっています。

蝶になりたいとは言いません。蛾でもいいです。
私があなたたちみたいに綺麗な羽をこさえて繭をわることはできるでしょうか?

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