見出し画像

まず『強いファンが2人』を目指せ

「世界に1000人のファンがいたらミュージシャンとして暮らしていける」というのをずっと昔に雑誌のコラムで読んだことがある。具体的には、「各地に20人の熱狂的なファンがいたらツアーで生活できる」とか「200人がCD(当時はCD販売が稼業だったんだよ)を買ってくれたら助かる」というような内容だった。

その頃に比べれて音楽界隈の様相は随分と変化したが、ファンがいなければミュージシャンはやっていけないことに異論はないだろう。


強いファンとは?

『強いファン』っていうのは、たとえばライブをすると毎回来てくれる人なんかが分かりやすい。TwitterならLikeだけじゃなくてRTもしてくれる人は強いファンといってもいいかもしれない。インスタLiveに来てコメントしてくれる人、リリースした曲を購入してくれる人も強いファンだと思う。

そういった『強いファン』は新たなファンを増やしてくれる。「あの人めっちゃいいんだよね」といった具合にシェアしてくれる。ミュージシャン自身では届かないところへ音楽を届けてくれる。
こんなにありがたいことはない、このありがたさを忘れちゃいけない。


実際どれくらいの収益効果があるのか?

ありがたい対象を収益対象と呼ぶのははばかられるが、ここは冷静に計算をしてみよう。

たとえばApple Musicは1再生につき大体0.01円とする。100人の人が1回再生しても1円にしかならない。これは1曲で考えてしまうと気が遠くなるような話だが、例えば10曲あれば、20曲あればと伸ばしていくこともできる。

再生数による収入は強いファンでなくても「ちょっといいかも」「興味はある」くらいの人も対象になるので、たとえば500人が20曲を1回でも聴いてくれるなら

500×20×0.01=100円

※実際はリスナー500人の中に数人はプレイリストに入れて毎日聴いてくれたりするのでもうちょっと再生数は伸びると見込んでいい

ご覧の通りストリーミング配信を収入源にするのは、これからミュージシャンになろうという若手には厳しい。だけどファンが増えるほど再生数は指数的に増えていくので、リリースする楽曲を増やすことは実は有効な戦略だったりする。

それに『強いファン』は楽曲やアルバムをプレイリストに入れて毎日聴いてくれたりする。見た目ほど悲観する数字ではないと僕は思う。


ライブの場合はどうかというと、出演料やキックバックが発生するためには10人以上の集客は必須になるので、ファンが2人では全然採算が合わない。なんてこった。


ファンは君を勇気づける

だけど冒頭の「『強いファン』はファンを増やしてくれる」という意味において、『強いファン』はとてもありがたい存在だ。2人のファンがいればその2人は繋がっていくだろうし、仲間を増やそうと活動してくれる。1人のファンではちょっとダメで、2人になって初めて仲間意識は生まれるものだ。

なので、最初に『強いファンを2人』を目指そう。ファンはきっと君を勇気つけてくれるから。

という話を、プロ志向として卒業していった生徒さんに話をしたのだった。



サポートなんて恐れ多い!ありがたき幸せ!!