【ギター】憧れの人が登ってきた”階段”をイメージする
「この曲が弾きたいんです」とレッスンに来られる方は少なくない。憧れの曲を弾けるようになりたいという気持ちは、とても自然なことです。
僕は「じゃあ、とりあえずやってみましょうか」と、一旦目の前でデモ演奏をして見せる。特殊な訓練を受けているので、ある程度の曲ならフレーズもコードも一聴すれば弾ける。ダーっと弾いてみて、質問を投げかける。
「コード、読めますか?」
「タブ譜は読めますか?」
そのアーティストが登ってきた"階段”を想像してもらう
たとえば、あいみょんだとかBUMP OF CHICKENだとかのメジャーアーティストでも初心者時代があったに違いありません。それからバンド活動みたいなのをやってみて、オリジナル曲を作ったりして、人前で演奏して・・・・という階段を登ってきて今に至るわけです。
こういう階段は、世間一般ではキャリアと呼びます。音楽の場合、ジャンルによって多少の違いはあるにせよ、だいたい図のようなキャリア階段を経てアーティスト活動をするようになったんだと思います。
ちなみに「初心者」から「バンド始める」までの期間は人によってまちまちだし、「オリジナル曲を作る」も楽器を弾き始めてすぐ作る人もいれば、作らない人もいます。初心者のうちは次の階段に登ってはダメ、というわけではありません。
いま耳に届いている有名な曲は、そのアーティストが重ねてきたキャリアがあってこそ完成している。まぁ当たり前といえば当たり前ですが、この前提を納得してもらった上で、次にいってみましょう。
テクニックや知識も”階段”でイメージする
僕の場合、初心者向けギターレッスンでは「この順番でやったらいいよ」のテンプレがあります。※注
まずは『とりあえずコード弾き』できるようになりましょう、です。本当に最初のとっかかりは、やっぱりコード弾きです。一人っきりで弾いても音楽が成立しますからね。
(ぶっちゃけここで挫折する人がほとんどで、だから対面レッスンは生き残っているんだと思います)
コード弾きといっても、右手のストロークやリズムのこと、コードチェンジのコツなど、数ヶ月間はこれに慣れてもらうようにします。練習方法を教えたり、生徒さんの苦手なところを克服するエクササイズを教えたり。手ほどきをすると、誰だって弾けるようになります。
わりと弾けるようになったら『コードの知識』を伝授します。といってもそんなに難しいことじゃなくて、せいぜいEとEmの運指で「どこが動けばマイナーとメジャーが切り替わるか」くらいのことです。メジャーマイナー、7thの運指を知ってもらうだけ・・・・・・
憧れの人も同じような”階段”を登ってきた
ここで一つ前の図を思い返して欲しいのですが、
コードを覚えたり弾いたりするのは、図でいう『初心者』の段階だということです。
つまり、憧れのアーティストだって同じような時期があった。コードチェンジが難しいだとか、リズムが安定しないだとか、力んで指が痛いだとか、ギター弾きがみんな通ってきた道だということです。
どうしてこのnoteを書いているかというと、初心者ほどこの”階段”を無視して、一足飛びに「この曲が弾きたいんです」だけを目標にしがちです。バンド譜を持ってきて「これ、どうやれば弾けるようになりますか?」と。
ちょっと考えると、その曲はプロミュージシャンの演奏で、初心者の自分がプロミュージシャンのように弾くには膨大な練習量が必要だと分かるものです。
「コード、読めますか?」
「タブ譜は読めますか?」
それにどんな意味があるのか、楽器を始めたばかりの人には分からない。
だけど、こう考えたらどうでしょう。
「憧れのその人も、コードは読めるしタブ譜も読めると思いますよ」
そうやってみんな練習して、あるいはキャリアを積んでアーティストになったと理解したらば、あとは必要なことを進めていけばいい。
はじめた人は、もうそれだけでアーティストの卵です。
ゆっくり階段を登って、キャリアを積んでいけば、きっと自分だって『誰かの憧れ』になれるはずですよ。
オンラインレッスン、やってます。
サポートなんて恐れ多い!ありがたき幸せ!!