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#006 学びと営業の旅(北海道編)-PART1

 木下斉さんのVoicyやビジネスパートナーからの勧めもあって、2023年から国内色々なところを訪れるようになりました。お肉に興味を持ってもらったお店へ直接伺ったり、実際にお肉を使って頂いているお店で食事をしたり。両親の姿を見て長期間の休みが取りづらく、遠方への旅行はあきらめざるを得ないと思っていた私にとって、「このような日がくるとは!」と驚かずにはいられません。
 今回は先日行った北海道の旅を紹介しながら、各地で感じたことをまとめてみようと思います。 


〇旅に出るきっかけ

1.同級生の奮闘

 2023年1月に旅に行くならじゃあどこがいいかと思ったところ、高校の同期がやっているワイナリーが真っ先に頭に浮びました。私が一般入学で彼がサンフレッチェユースということで目立った接点はなく、各々違う大学へ進学。その後SNSを通じて彼がワインの道に進んだことを知り、私が就農したことを境になぜだか畜産に関する質問が届いたり、瞬く間に売れる彼のワインを必死で注文したりと交流が増えていきました。余市でワイナリーをしていることは知っていましたが、なかなか機会をつくれずにいたので思い切って訪問させてもらったのが1年前。これをきっかけに応援して下さる知り合いも増えて、北海道をより身近に感じるとともに、他の地域も行ってみたいと思えるようになりました。

2.「旅は決断の連続」

 いつもの通り木下斉さんに触発されたのもきっかけのひとつ。学生時代に旅行へ行かないわけではなかったものの、無難な選択ばかり。裁量が大きくなればなるほど判断に困ることは実感が湧いていたので、決めざるを得ない状況を自ら作ることで色々な決断に慣れていければいいなと。特にうちのような肥育農家は仕事の波がないので、なかなかまとまった休みがとれません。行くなら両親に頼れる今のうちに、ということもあります。

〇DAY 1(2024/01/25)

1日目の行程

0.「旅のはじまりはカルスト号」-深夜バス編

 午前中に新千歳へ到着したかったので、道路事情を考慮すると前日移動がベターと判断。広島空港周辺に一泊はちょっと味気ないので、深夜バスで三宮へ。水曜どうでしょう好きであの雰囲気を味わうために時折ネタで深夜バスに乗っていましたが、この便は3列シートで案外快適。目的地が兵庫県で比較的近距離な上移動時間も7時間程度。途中乗務員の休憩で1時間半しっかり停車するのでゆっくり寝れます。

 今回のような平日だと乗車人数も少なくて更に快適。時間が贅沢に使える学生がUSJに行くにはホント便利。サラリーマンで「朝イチで神戸に新幹線移動」なんてことがあれば、今はこっちを選ぶかもしれないくらい。
「朝5時に三宮について、サウナでさっぱりしてから仕事へ」って感じで。

1.「雪のため引き返すこともあります」-フライト編

 北海道には大寒波が到来しており、スケジュールはそれを覚悟して決めていたものの、「飛ばないかもしれない」という圧倒的リアルを感じながら神戸空港へ。今シーズン一番の積雪で臨時休校となるなど、現地のコンディションは最悪。友人からは「無理して行くと北海道から帰れないんじゃないかい?」と心配されたくらい(笑
 当日神戸の天候は全く問題なくとりあえず飛ばないということにはならなかったものの、着陸不可と判断された場合は引き返す条件付きフライト。
「もうここまできて引き返すならどうしようもない。そのときは北海道の皆さんには平謝りして、神戸の営業先のお店を行脚してやろう」
と超楽観的に構えて予定時刻を待ちます。定刻となり、いよいよ新千歳へのフライト。見た感じ搭乗率は6~7割ほど。  

スカイブルーが美しい

 心配をよそに、あっという間に新千歳への着陸態勢に入ります。「なんだ、案外大したことなかったのか」などど思っていましたが、着陸した新千歳空港はかなりの吹雪。パイロット、添乗員、空港スタッフの皆さんのプロの仕事に感謝です。本当にありがとうございました。

着陸直後の新千歳

2.「明日になるかもしれません」-エスコンフィールド編

 多少遅延はあったものの、合流出来て「余裕をもって余市へ入ってゆっくりします?」などと話していると、「そういえばまだエスコン見に行ったことないんだよね。いかない?」と盛り上がり、急遽エスコンフィールドへ行くことに。互いの知り合いから「どう考えても今行くときじゃない」と言われながらも、軽いノリで雪道をひた走ります。内心「(そんな感じで遭難する人、映画でよく見るな…)」と思いながらも、オフシーズンも楽しめるエンタメ球場として設立されたものを見てみたい気持ちが勝りました。(あとで思い知らされることになる)
 以前訪問された方のSNS投稿などを見て雰囲気はなんとなく分かっていたたつもりでしたが、現地へ行ってみると迫力満点。グランドとの距離が近く、張り巡らされたフレームの高さに圧倒。

TOWER11

 この時期はホテル&温浴施設のみの営業とのことで、完全なオフシーズン。悪天候も相まって温浴施設で温まれれば御の字というところでしたが、思いのほかコンコースを歩けたり、グッズ売り場や一部飲食店も開いており、思ったよりも雰囲気を楽しめました。 

露天風呂

 目的の温浴施設は自分たちの他に利用者は3名程度。貸し切りのような時間もあり、冷えた身体を温めるにはとてもよかったです。オンシーズンはお客でごった返すようで、それよりは自主トレなどが始まる時期にのんびり使うのが個人的には面白いかなと。サウナや露天風呂に入りながら大谷選手の契約についてや、スポーツ業界全体、果ては人手不足問題について話をして体が温まったところで、一路余市へ。
 ...のはずが、駐車場出口の新雪にスタックしてにっちもさっちもいかない。ロードサービスもこの吹雪でフル稼働のようで普段なら1時間前後の出動のようなのですが、「最悪明日…ですかね」と担当者の絞り出すような声。偶然通りかかった方に助け出してもらえなかったらどうなっていたことか…(恐らくエスコンフィールド1泊である)

 エスコンフィールドのスタッフのみなさん、居合わせたお客様、そして颯爽と牽引してくれた方、本当にありがとうございました。現時点でエスコンフィールドが私にとってホスピタリティ部門で総合トップです(笑

エスコンフィールドの外観。時折吹く吹雪が痛い。

3.終わりよければすべてよし-余市SAGRA編

 様々な方の協力によって何とか抜け出し、急いでホテルにチェックイン、踵を返して余市SAGRAへ。
 我々が到着してからコースがスタート(お待たせしてすみません…)
搾りたてのオイルを使ったスープに始まり、熟成メークインの塩藁包み焼きの濃厚さを楽しんで、さらに魚、肉、ジビエと次々料理がサーブされていく。発酵食品との取り合わせも多くて非常に面白くて、何より美味しかったです。まさに足繁く通いたくなるお店ですね。

 非常に満足して、1日目素晴らしい締めくくり。後日調べると25日は北海道各地大荒れ。訪れることができて本当に良かったです…

〇仕事仲間と旅行すること

1.自由闊達に意見交換をする

 うちの会社は2人でチームを組んで仕事をしていますが、基本的にやりとりはMessengerのテキストベースで週1回の定例はは通話。顔を合わせる機会がなかなか作れないので、今回のように時間を取って旅行することはコミュニケーションを深めるために重要な機会です。
 農業をしているとどうしても内向きの思考が強くなってしまうので、自分の興味の外にある情報に触れ、様々な分野の取り組みや考え方を知ることでより柔軟に意思決定ができるようになると考えています。時事ネタやブランディングや人材確保・雇用条件の問題などクリティカルなものであったりそうでなかったりすることを分け隔てなく話すことで、思いがけないところで仕事に反映できそうなアイデアが見つかったりもします。(往々にしてそれ を現実的な形に落とし込むことに難儀していますが…) 

2.チームの現状を分析してみる

 トラブルが発生したときに発生原因や対処方法からチームとしての評価をすることもできます。今回軽い気持ちでエスコンを訪問してしまったわけですが、そもそも悪天候を考慮して、断念するという選択もあり得ました。しかしながらリスクよりも興味が勝るということで、仕事でも同様な判断をする可能性があるという事です。下手なブレーキで動きが悪くなるよりは、今回のような判断の方が良いと好意的にとらえていますが、事前に対処できることはあるはず。そのシュミレーションに旅は手頃で最適な手法であると思います。
 それに加えていかに状況が悪くなろうとも、その状態をポジティブにとらえられるかどうかは仕事の上でも重要なポイント。スタックしてスケジュールがご破算になりかかっている状態で「エスコンのホテルって一泊いくら?」と笑いながら話せたのは良い思い出。

 ちなみに1日目はこちらに宿泊。今回は素泊まりにしましたが、ワインや食事にこだわっているらしく、次回はホテルでディナーもいいかも。

最後までお読み頂き、ありがとうございます。
今回はえらく柔らかい内容でしたが(笑
今後も田舎の小さな肥育農家のリアルを伝えていきたいと思います。スキ・コメント・フォローなどを頂けますと励みになります。

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