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欧州のオーディオ、はじめました

ごあいさつ

はじめまして。大阪でヨーロッパのオーディオ製品を輸入するベッドフォードサウンドという小さな会社をやっている松本と申します。どうぞよろしくお願いします。

設立が令和元年、2019年10月ですので、まだ1年ちょっとの会社です。

オーディオ歴は中学の頃からですので30年ほどになります。年齢がバレてしまいますが、会社設立までは、まったく別の業界でサラリーマンとして日本とイギリスで働いていました。そのあたりのお話はそのうち触れていくとして、今回はまず当社が何をやっている会社なのかについてご紹介したいと思います。

会社設立のきっかけ

当社ではヨーロッパのオーディオ製品を扱っています。イギリスに10年以上住んですっかり「ヨーロッパかぶれ」になってしまい、旧いものも新しいものも、ヨーロッパのものは大好きです。

イギリスがかつて大英帝国という名だったころ、アメリカ、ドイツと並んで、世界3大オーディオ大国のひとつと呼ばれていました。オーディオ自体は日本にいた時から好きでしたが、英国の家に自分で住んでみて、蓄音機の時代から、モノーラル、ステレオ、そして最新のデジタル機器まで、様々な時代の機器を鳴らしてみる機会に恵まれました。そして気づいたのは、英国の機器の、特に旧いものには、部屋の反響を利用する製品が実に多いということ。部屋の壁だったり、コーナーだったり、あるいは天井だったり。

市場のグローバル化が進んで、どこの国の製品も世界中で売ることを前提につくられることが多くなったため、現代の製品にはそういうものは少なくなってしまいました。英国製品も、アメリカ製品も、日本製品も、独立したモノとして完結していることが求められ、外観や機能だけ見てもどこの国でつくられたものか、区別がつきにくくなっています。

部屋の反響を利用するような製品は、設置場所を選びますし、千差万別の世界中のお店の試聴環境で売りにくいせいもあるでしょう。しかし、どんな環境にもっていっても100%実力を発揮できる完全無欠な状態で鳴るスピーカーは、まだこの世に存在しません。工業製品としてのスピーカーは、どのモデルも、これこれこういう条件で測定しました、あるいは、これこれこういう使い方はしないでください、という前提条件が必ずあるものです。しかし、お店で売られている多くのスピーカーは、買った人にどういう条件で鳴らされるかわかりませんので、ある程度の使用条件は想定しつつ、多少乱暴な使い方をされても大きくは破綻しないような設計されていると考えるべきでしょう。

ふと思いました。お店でも家でも破綻せずにそこそこ鳴ってくれる製品はもちろん素晴らしい。しかし、おうちで鳴らしたら最高の音がするけど、お店では真価が発揮しづらい、といった製品を置き去りにしてよいのか。その製品の使用条件がビシッと合う人に使ってもらえば最高の音楽体験が得られる。でもそれは売り手側の都合で忘れ去られようとしている。

それって何とかならないんだろうか。多分他のどの業界でも似たようなことが起きている。でも、そういう製品を面白がってくれる人も絶対に中にはいるはずだ。実際にこんなに素晴らしい製品なのだし、評価も高い。そういうモノが好きな人を探して、作っている人と使うひとをつなぐのも面白いんじゃないか。でも他にやりそうな人もいない。では自分でやってみようか。

そう考えたのが当社設立のきっかけです。

ベッドフォードサウンドで扱っている製品について

当社で扱っている製品の中に、スウェーデンのLarsenというスピーカーのブランドがあります。70代のジョン・ラーセン氏が工房に一人こもって手作りしている製品ですが、この製品はモノ単体では成立していません。どういうことかというと、壁の前に設置することを前提としています。スピーカーの背後は、見えないから、という理由でテキトーな仕上げですし。(さすがにより高額な上位モデルはまともですが)つまり、タンスや机の裏側を想像いただければよいのですが、あくまでも部屋の一部という発想なのです。

出てくる音の方もそんな感じで、壁と組み合わさって一人前。そう書くと、イマイチな音と勘違いされてしまいそうですが、決してそんなことはありません。何しろ最初から普通の部屋で鳴らすことを前提に設計されていますから、まさに水を得た魚。スタジオモニター用に設計されたスピーカーを普通の部屋に持ってきてがんばって鳴らす、という楽しみも、それが楽しめる方には大いに勧めますが、万人にすすめるのはちょっと違うかなと思いますし。

このnote を始めようと思ったのも、そういうちょっと込み入った事情や、市販されている他の製品とは根本的に違っている前提条件や、そこに至った経緯や、開発者の思いなどのストーリーをひとつひとつを伝えるには、長い文章を書く必要があると思ったからです。

他にも、デスクトップ上の目と鼻の距離で最高のパフォーマンスを発揮するように設計された、砂で出来たうずまき形のスピーカー「Deeptime」。そして、元々はバイクのサイレンサーを作っていた、イタリアのオーディオ用家具メーカー「Solidsteel」など、ユニークな製品たちについてつらつらと書いていきたいと思います。

今回のまとめ

オーディオというと、究極の高音質を目指す「xx道」のような、若干マッチョなイメージがついてまわるような気もして、興味のない方からは、それだけで拒否反応を受けることもたまにあります。

しかし、本来、音楽再生を生活空間に取り入れることは、とてもたのしく、健康的で、生活を豊かにしてくれる活動です。この文章では、自社ブランドの話題に限定せず、生活空間の中で毎日音楽をたのしむための情報を発信していければと思っています。








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