第3回:ノートシステムの情報フロー、全体概要、要件、時々エモーショナル
こんにちは、北真也(@beck1240)です。
倉下さんとの共同連載情報整理ダイアローグ第3回。前回までは「失敗談」やら「昔話」やらといきなり脱線しまくりだったので今回はド直球「ノートシステムの情報フローと全体概要、要件」に行きたいと思います。おまけでエモさがどうのっていう話も少々。
ところで、システム屋さんじゃないと要件という言葉になじみがないかも知れません。とりあえずここでは「必要な条件」という意味で捉えて頂ければと思います。アナログでも、デジタルでも、情報整理を行うツールに何を求めているのかを明らかにしておいて損はないでしょう。
さて、僕が「こう使いたい」というのは、往々にして上手くいかないか、或いは実行されないことがある。だいたいの場合、面倒くさいとか、手になじまない、なんか思ってたんと違う・・まぁ、その程度の理由です。ロジカルにはそうすべきと思っていても、エモーショナルにはそうならない、人間そんなもんってのが僕の持論ですが、僕の個人的な見解を人類一般的に当てはめるのもおこがましいので、僕がそういう人間だということにしておきます。
そう、”そういう人間”がこの十数年かけてたどり着いた「僕レベルの怠惰な人間の現実的なノートシステム」をこれから紹介していくので、どうかあまり期待しないで先を読み進めて頂ければ幸いです。
ノートシステムの情報フロー
最初情報フローを出しておきます。最初に出す理由は単純で、これを見ないと後の文章がよく分からないから。そして、これだけを見ても全く意味は分からないでしょう。なんと素晴らしき補完関係と前後関係!
ちょっと乱雑に書いてしまったので超絶分かりづらいですが、の記事でもう少し綺麗に書き直しつつ、各パートの詳細に入って行ければと思います。
ノートシステムの全体概要
"ノートシステム"などとたいそうな名前を付けておきながら、僕の生活におけるノートの分類はごく普通です。多分、多くの人のノート術の方がもっとしっかりしているはず。
・キャプチャ(紙のメモ帳、たすくま、FastEver、Apple標準メモ帳)
・Inbox(Evernoteに一旦集めた未分類情報)
・Daily Note(Workflowy:今日の予定、タスクを書き出し、メモのIndexを残す)
・アクティブメモ(Evernote:仕事、プライベート、個人活動に分類されたメモ・備忘録。使い終わったらアーカイブ。)
・アーカイブメモ(Evernote:アクティブメモで何かしらアクションが取れたもの)
・ノート(Evernote:仕事、プライベート、個人活動を更にプロジェクトカットで分類したノートブック。プロジェクトに関する記録や議事メモなど。プロジェクトが終了したら丸っとアーカイブ。)
・ノートアーカイブ(Evernote:終了したプロジェクト達)
・ネタ帳(Workflowy:アイデア→ブログネタ、Youtube/Podcastネタ→アウトラインにブレイクダウン)
・下書き(Ulysses:ブログ、電子書籍、メルマガの下書き。生産の場。)
・PKM(Obsidian:読書メモ、勉強メモ、自分専用ナレッジベース。永遠の未完成ノートで、知識の蓄積とネットワーク化が目的)
・参考資料(Web Clip、PDFなどはEvernote、仕事のファイルはBox)
・アウトプットアーカイブ(アウトプットしたらとりあえずEvernoteへ、仕事の成果物はBox)
・ライフログ(たすくま→Evernote、ツイエバで1日分のツイート)
・方針/目標/チェックリスト(Evernote:自分の人生の方針めいたもの)
・日記(Dayone:記録というより、記憶の想起ができるもの。ツイートとInstagramは自動収集)
ノートシステムに記録される情報は、メモ/ノート/参考情報であり、基本的には自分が何らかの必要に駆られて記録を取ったものです。
以前は自動記録にハマっていて色々Iftttやメール経由でEvernoteに情報を入れたのですが、結局自動記録された情報は殆ど使われること無く死蔵されるので、今は能動的に残す情報だけをEvernoteその他に入れています。
前回の記事でも書いたとおり、僕は目的に合わせて紙のノートを使い分けるようにデジタルノートも使い分けています。あくまで僕が残したい記録の要件に合致するツールを選定しているわけですが、EvernoteとObsidian、Workflowyの間で未だ揺れ動いているツールもあります。迷ったっていい、人間だもの。
とりあえず、今の大まかな分解点は、ライフサイクルのある(終わりのある)メモ/ノートと参考資料保管についてはEvernote、永遠の未完成ノートたるPKM(Personal Knowledge Management)はObsidian、感情や思い出の保管場所としてのDayone、アイデアの保管とネタ管理に特化したWorkflowy・・みたいな感じです。
この辺はもう少し、手帳やアイデア帳、情報カードや豆論文みたいな、紙ののノートをメタファーにしてデジタルノートの分類を試みても面白いかも知れませんね。
ノートシステム構築の目的
ちなみに、僕にとって最も重要な事は「情報を完璧に管理すること」ではなく「忘れても思い出せるようにする」「対応漏れを無くす」ということです。つまり、僕は自分の記憶力にいささかの信頼も置いていないので記録を残し、やるべき事など重要度によらず気がつけば短期記憶から蹴り出されるもんだと思っているので記録に残します。
7つの習慣みたいに偉大性への到達や、人類社会への貢献、或いは人類の叡智の先端に触れたい・・みたいな高尚な話は一切ありません。忘れたら困るから、必要なときに取り出したいから、僕の好きや趣味のために必要だから、僕はノートシステムを構築したに過ぎません。いや、なんなら、最初2つの理由は「怒られたくないから」という上位目的に置き換えてもいい。
また、ノートシステムを構築したからといってトータルリコールが実現できるわけではありません。むしろ、僕は全てを記録するという方針から、自分が能動的に記録したいと思う物だけを記録する方針に切り替えた位です。
サブシステム的な情報カードとA4スケッチ
サブシステム的という表現はまるでシステムの一部のように見えるかも知れませんが、情報カードやA4スケッチはある意味で完全にシステムの外側に位置する、言うなればインスピレーションの泉の様なものです。
一件、完璧に見えるノートシステムだけでプロセスを回そうとすると、なぜだか途端に行き詰まります。形のないモヤモヤした何かに形を与えようとするとき、テキストエディタやアウトライナーは少し不自由なのです。あいや、時にはテキストエディタの方が良いこともあるので、決してテキストエディタが駄目という訳ではないのです。
何かを生み出そうとするとき、様々な材料を組み合わせた先のものが見えそうなとき、自分の頭の中で複雑に絡まった糸を解いては繋ぐとき、僕はA4スケッチブックを開いたり、情報カードに材料を書き出してジョッター片手に散歩にでかけたりします。
恐らく、きっと、これが正解とか、そういう類いの話ではないのです。それはある種の願掛けで、それは過去の成功体験から編み出したルーティンで、結局はもがく中で手を変え品を変えしているだけの産物なのかもしれません。
僕がアイデア帳と呼ぶそれは、Moleskineのラージです。これを使っている理由は簡単で、Moleskineなら良いアイデアが出そうな気がするっていう完全な思い込みと、Moleskineハードカバーシリーズが提供する「たった状態でも書けるから、歩き回れる」という機能によるところが大です。
使い方があってるか分かりませんが、紙で書くことには一種のエモさがあって、その一縷の望みにかけてデジタルの迷宮から飛び出してみているのかも知れません。
ちなみに、A4の紙に書いたことも、情報カードも、概ね使い終わったらそこで終了です。情報カードはカードボックスに入れますが、A4スケッチは多くの場合清書となったPPTのみがアウトプットとしてアーカイブされます。
ノートシステムの外部にあるもの
ちなみに、ノートシステムと銘打ったのには理由があって、ノートシステムの外にも管理する情報とその管理ツールが存在するからです。これらの情報も含めて「情報管理システム」とでも呼んでおきましょう。
ここまで含めると収拾が付かなくなるので、本連載ではノートシステムの外側は一旦Out of Scopeとしますが、これらのシステムとどう結合するかの簡単な外部要件は今後明らかにしていきます。
・予定管理:Googleカレンダー
・タスク管理:Nozbe、たすくま
・資産管理:Money Forward
・健康管理:Apple Health Care
・写真/動画管理:iCloud Photo + ローカル
なんせ、これ一つ一つで電子書籍1冊書けちゃうんじゃないかってぐらいなんですが、これはこれで楽しい話なので、noteの連載と並行してブログの方で書いてみようかと思います。
さいごに
今回は「ノートシステム」と「それ以外」、そして「ノートシステムの概要」と「サブシステムとしての紙」についてお話ししました。
次回は「ノートツールの使い分けの考え方」を掘り下げていきたいと思います。今後、紹介した「ノートシステム」のパーツパーツは全て事細かに紹介するつもりではありますが、何か質問等あれば、是非コメント欄、Twitter等(@beck1240)で質問頂ければ幸いです。
連載の順序は特に明確には決めていないので、要望が多い物から先に取り上げることも可能ですので!
さて・・いつもそうなのですが、こんなことを書こうかなと思って書き始めると、段々と膨らみすぎて、まだ骨格ぐらいしか書けていない段階で1000文字を超えてきたりします。そして「あー、こりゃ4000字ぐらいいくな」と思っている内に5000字ぐらいになってしまったりします。つまり、いつも長文で誠に申し訳ありません。
ついでに余談ですが、この連載で最初に名乗りをあげていませんでした。過去2本の記事を読む限り、私のブログ、Youtube、Twitter等をフォローしている方以外にもリーチしていそうですし、たまたまnoteのリコメンドで流れてくる人もいらっしゃりそうなので、今後は名乗りだけ入れます。北真也(@beck1240)です。
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