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小説「カイゴはツライ?」

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職安の職業訓練で介護ヘルパー1級を取得し、老人ホームで働き始めたユリの介護体験記録である。ユニット型の特養から従来型の特養への異動、ホームヘルパー兼ケアマネジャーへの転職。保険者…
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#介護施設

カイゴはツライ?第16話~即戦力となる期待の新職員だが…

介護業界は離職率が他の業種に比べ、非常に高かったが、ユリの勤務する施設でも退職者は多かっ…

myoumyou
3年前
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カイゴはツライ?第15話~あつあつごはんに苦情がくる

もめにもめた各ユニットでのごはん炊きは、ひとつのフロアで共同で炊くということに落ち着いた…

myoumyou
3年前

カイゴはツライ?第14話~逃げ口上もここまでくると…

各ユニットでごはんを炊くべきか否か、もはや職員間を二分する大騒動となっていた。施設長と介…

myoumyou
3年前

カイゴはツライ?第12話~勉強ってやっぱり大事!

採用から1年が経ち、仕事に慣れたせいか、日々の業務がラクに感じられるようになってきた。ユ…

myoumyou
3年前

カイゴはツライ?第11話~家庭的ケアと放漫介護

「家庭的なケア」といいながら、各担当職員が自分のやり方で好きなように高齢者の世話をしてい…

myoumyou
3年前

カイゴはツライ?第10話~すっかりベテラン気分

ユリはいつしか深田さんとは距離を置くようになった。というより無視するようになったというの…

myoumyou
3年前
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カイゴはツライ?第9話~人当たりもよく、優しい介護者ではあるのだが…

深田さんの仕事ぶりは変わらなかったが、夜勤や遅番、早番にも入るようになった。遅番は夜8時までだが、深田さんは9時近くまで残っているとのことだ。早番は朝7時からだが、元々7時に来たのでは間に合わず、どの職員も6時半には職場に入っている。深田さんは6時には来ているそうだ。ユニットケアの悪い点は、担当ユニットのことは原則、そのユニットの職員がすることとなっているため、他のユニットの職員が手伝うことはまずないということだ。そうはいっても、夜勤は3ユニットを2人でみるのだから、他のユニ

カイゴはツライ?第8話~50代の新人男性職員に戸惑う

半年がたち、ようやく勤務に慣れた頃、ユリの担当するユニットに新しい職員が入ってきた。4人…

myoumyou
3年前
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カイゴはツライ?第7話~暇と時間をもてあます夜勤に苦痛をおぼえる

はじめて夜勤見習いをしたとき、その拘束時間の長さと業務内容の薄さにユリは驚き、あきれた。…

myoumyou
3年前

カイゴはツライ?第6話~画期的なユニットケアで不安がいっぱい…

ユリが勤務するユニット型特養は新型特養といわれるもので、数年前から厚労省が推し進めている…

myoumyou
3年前
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カイゴはツライ?第5話~楽しくも空虚な毎日

半年も経つとすっかり仕事に慣れ、老人介護の常識にどっぷりと浸かり、初心はすっかり忘れ去…

myoumyou
3年前

カイゴはツライ?第4話~老人介護の常識

ユニット型の特養では、月に一度ユニット会議が行われる。利用者のケアについて職員が話し合…

myoumyou
3年前
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カイゴはツライ?第3話~業務に追われて利用者さんをなおざりにする

1ヶ月が過ぎ、ようやく仕事に慣れてきた頃、ユリは利用者さんへの対応について先輩職員から…

myoumyou
3年前

カイゴはツライ?第2話~ユニットケアこそ家庭的?

今日も一日ぼんやり突っ立ったままで終るのか…朝家を出る前から憂鬱な気分であった。出勤すると、ユニットの責任者である松岡さんが日勤でいたため、ようやくいろんな業務を教えてもらうことができた。昨日の身の置き所のない心細さに比べ、忙しいながらも充実感がある。ユリのユニットの責任者である松岡さんは、40代後半の物静かなおじさんである。松岡さんは、ユリがはじめて接するタイプの中年男性だ。大きな声を出すことはなく、静かにゆっくりと話し、ユリには、まず慣れることが第一、自分のペースで仕事