仰々しく、 /詩

詩　仰々しく、　2023/01/07  1:16

「スクリーンショットにして保存するのと、
　ダウンロードして保存するのと 何が違うんだろうね」

『固有のその重さを使い回すかどうかじゃない？』

「うん、まあ、そんなとこだろうね」

『わかっているならなんで聞いたの』

「いや、みんながそう認識しているなら残酷だなあって」

『残酷、なのかな、』

「残酷、というか、自分の目で見たそれだけを
　自分の中に落とし込むのって、卑怯、だよね」

『…………』

「僕だって、卑怯なんて言いたくないよ…！」

『あ いや、よく聞く 
　名前をつけて保存か、上書き保存かみたいな話が
　頭をよぎったからさ、』

「ああ……

　なんとなく　どことなく似てるかもしれない」

『上書きで保存するのは、なんか卑怯だよね』

「うん、僕もそう思う」

『ログとしては、嬉しかったこととか寂しかったこととか残るのかな』

「でもキャッシュを消したら、それすらも消えるのだろうね」

『（う…なんかよく分からなくなってきた…）』

「そもそも上書き保存なんて、保存の体をなした忘却とすら思てくるよ」

『…うん、確かに』

「名前をつけて保存 というのがそもそも間違いで、
　保存をする時、僕たちは決まって
　言葉や名前を伴っているんじゃないか？」

『あぁ、それには同感だな

　分かる とは区別することなわけで、
　認識ができるためには
　それらを区別するラベルが何か必要だと言えるもの』

「うんうん、その通りだよ」

『そんな固有の名前を持たずして、
　ただ曖昧なまま美味しいところだけ
　いつでも振り返ることができるだなんて
　スクリーンショットは卑怯どころではないよ』

「ずるいね、卑劣だね」


『……君にとっては
　卑怯より、卑劣の方が強い言葉なんだね』


「……うん、なんとなく」