岩と波
フラの先生と私は同じ中学校で教えています。先日、彼が引率する遠足に同行させてもらいました。このご時世なので、1学年全員を連れてはいけないので、彼のホームルームの生徒のうち12人が参加です。
今回は、学校からも近いコナにあるシェラトンホテル。ホテルから歩いて行けるケアウホウ湾から「wa’a(カヌー)」乗らせてもらいました。
いつも夕暮れに海を渡るこのカヌーを家から見ていたので、実際乗れると知って生徒と一緒にはしゃぎます。
私はフラダンスを通して人生のいろはも学んでいますが、いろんなことから学ぶことができますよね。
カヌーを操縦してくれたキャプテンが生徒たちに話をしてくれます。
自分の周りをよく観察してごらん。何が聞こえる? 何が見える? 何を感じる?
白波が立っているってことは風があるってこと。もうすぐ波が来るよ。あの雲の形は他と違うだろ? そう、あれは雨雲。いつも自分の周りに注意を払うことが大切なんだ。あそこに岩が見えるだろ? カヌーがぶつからないようにきちんと避けないといけない。岩の上ではカヌーは進めないからね。
そして彼が尋ねました。「君たちの人生にとって岩とは何だ?」しばらく経って、一人の生徒が答えました。
「School.」
こう答えた生徒は学校で先生から出される課題や宿題の大変さを言いたかったんじゃないかと思います。
そしてキャプテンはこの生徒にこう答えます。
「School is surf!」「Surf」とは波のこと。キャプテンは続けます。
波は君たちを進みたい方向に連れてってくれるんだ。うまく波に乗れば早く進むことができる。学校で人生に必要なスキルを身に付ければ、自分のやりたいことができるんだ。
なるほど! 本当にそうだな。学校は知識を身に付けるというよりも、社会に出てから必要なコミュニケーション能力、計画性、忍耐力、創造性、物を考える力を身に付けられる場所であるべきだと私は思っています。
海から見たコナの街はいつもは見えないものが見えて新鮮でした。目線を変えて見ることも時には必要だな。
【text&photo by Mina from Hawaii Big Island 】
成田水奈 愛知県出身。27歳の時に米国アイオワ州に留学。小学校教員免許を取得後公立小学校で教える。結婚を機に全く興味のなかったハワイ島コナに移住。しかしコナでフラダンスと出会いフラを通してハワイの歴史や文化、自然との関わり方や生き方を学びながら、日系人協会に所属し日系人移民の歴史、功績も学ぶ。離婚後もハワイ島が気に入り引き続き公立中学校で日本語とEL (English Learners)クラスを教える。通訳をきっかけにタマラエネルギーと出会う。自分らしく生きるサポートエネルギーを広めるためアクティベーターとなる。