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アスベストの新ルールと「悪魔の証明」

アスベストの新ルールができた

2023年10月にアスベストに関する法律が改正され、特に2006年以前に建てられた建物を解体・改修する際には、事前にアスベストの有無を確認する調査が義務化されました。この調査は、専門の資格を持つ調査者が行い、その結果を労働基準監督署や地方自治体に報告する必要があります。報告書は3年間の保管が義務付けられており、違反があれば罰則もあります。
こんな法律ができていたことをご存知ですか?
自分自身でこの資格、建築物石綿含有建材調査者(長い!)を受けて、初めてこの大きな問題に気づきました。日本全体の古い家屋がヤバい状況です。

悪魔の証明が必要

この新しい規制の大きな問題点は、「悪魔の証明」とも言える困難な証明責任です。何かが「存在しない」ことを証明することの難しさを「悪魔の証明」と呼びます。たとえば、建物にアスベストが「まったく含まれていない」と証明するのは、どこにも存在しないことを証明しなければならないため、非常に難しいのです。エアコンの穴を開ける場合ですら全邸で調査しなければならないため、これが「悪魔の証明」に近いとされます​。エアコンは開ける部分が断定的なので、解体が問題なんですけどね。

いないことを照明する難しさ

解体、高額で誰もできない

このような厳しい規制により、解体や改修の費用が大幅に増加しているのが現状です。その結果、古い建物の所有者が解体や改修をためらい、空き家が増える傾向にあります。特に、アスベストを含む可能性がある古い建物は、解体費用が高くつくため、所有者が手をつけずに放置するケースが増えています。このような空き家は、周囲の安全や景観にも悪影響を及ぼし、社会問題化しています​。しかも、その責任を検査者に押し付けるリスク。
ルールを守らないヤバい解体屋が重宝されている理由はそこにあるかもしれません。

ちゃんと資格持っています。

震災が発生したらパニックになる

さらに、この新しいアスベスト規制は、災害時にも影響を及ぼします。例えば、南海トラフ地震のような大規模災害が発生した場合、被害を受けた多くの古い建物の解体が必要になりますが、アスベストの事前調査と証明が必要なため、迅速な対応が難しくなる可能性があります。その結果、被災地での復興が遅れるリスクも懸念されています。誰も知らないし、ニュースでも言われていないことに大きな違和感を感じます。

ルールはルールなんですよね

このように、アスベスト規制の強化は安全確保のために必要な措置ではありますが、その一方で「悪魔の証明」という難題を民間に課し、空き家問題の増加や災害時の対応の遅れといった新たな課題をも引き起こしています。しかも、ほとんど誰も知らないという最強の問題が標準装備。解体業者や建物の所有者は、これらの新しい規制にしっかりと対応し、適切な準備を進めることが求められます。そりゃ空き家放置されますよね。

不動産にお買い得なし

おそらく今後は解体をしないで古屋付きで販売するケースも多く出てくると思います。不動産にはお買い得なし!もしありえない金額で販売されているお得な物件があれば、そこには解体費用の爆増など大きな罠がある場合もありますので、飛びつかないで、しっかり調べてみましょうね。

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