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【恋愛詩】雨の中

キスのスイッチで 始まった愛の盛り
青い雨が 今日は激しい

車の中で蒸れていく二人は
重なり 交わり 溢れて 
また重なる

互いの鼓動を感じながら
幸せが逃げていかぬよう
一層強く 抱きしめ合う

キスのスイッチで 終わった愛の盛り
青い雨が 今も降りしきる

車の中で蒸れた二人は
この時間が永遠であれと 
切に願う

しかし 無情な雨は
トトっ トトっと 車に当たり
時が近づいてることを知らせてしまう

このまま雨に隠れていよう
二人で密ごとの続きをしよう
あなたがもっと欲しい

甘いわがままは 夜霧となり
湿り気と交えて
窓ガラスを曇らせた

雨が守った二人の時間は
二人だけが知る 温かい時間
車の中には 今も 愛の匂いが残る


【詩の背景】
 冬の間、彼女とは互いに都合をつけて会うことができていた。
1月に入ってお互い仕事や家庭で忙しくなり、久しぶりに会えたこの日。
彼女の子どもが習い事に行っている間、車の中で1時間だけ話そう、そう言って会った。

しばらく車の中で話していると、窓には雨粒が張りつき始めた。
手を握り、見つめ合い、キスをする。
「後ろへ行こうか」
そう言って、後部席へ移動した。


二人で抱きあって寝たとき、彼女の鼓動と雨の音を交互に感じた。
二人を守っていた雨は、時計の針のように、時の経過も告げていた。

「このまま、ずっとこうしていたい」

雨に守られた、ひとときの幸せを詩にしました。


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