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会社員にさえなれない僕


#会社員でよかったこと

会社員になれるならなりたかった。
父のようにサラリーマンになりたかった。
毎日、努めて、結婚し、子供を持ち、車を持ち、家をもち、胸を張っていきたかった。
だけれども、現実は障碍者でアルバイトだ。

僕の会社員のイメージはサラリーマンだ。
立派な会社員。
立派だと自分で思っていなくても他人と会話する時に「何をしていますか?」と聞かれたら、答えることのできる仕事をもっている人。
そんなイメージだ。

僕のようにやってる仕事を聞かれても「いやぁ」と隠したりしない。言えば相手に心の中で見下されるのではないかと思ってしまう。
マッチングアプリで言えば、経験上相手からの連絡が途絶えてしまうような仕事ではない仕事をしているようなイメージ。

会社員という言葉には、正規雇用で平均的な年収をもらっていて、保険にも入れて、クレジットカードの審査も通って、銀行のローンも通る。そんなイメージ。

いやいや僕だって立派な会社員じゃないか!と言われても、では職業欄に「会社員」書けるかというと書けない。

昔から「普通」ではなくて、学校でも社会にでてからも「普通」になりたくて色々と苦しんでいけど、どうも「障碍者」からは逃げられなかった。
人より勉強も運動もコミュニケーションもできないから、学校でいじめられたし、学校より広い世界にでれば苦しみもなくなるかと思ったら、学校とは違う苦しみが生まれただけだった。仕事先ではパワハラにあい、病院では鬱とPTSDと診断された。

それでも「普通」な会社員にあこがれて、障碍者枠の正社員を目指したけど考えることは皆同じで、俺より優秀な障碍者が受かるだけだった。
企業の正社員の障碍者枠よりも新しくエントリーしてくる若い障碍者の方が多いので、永遠に僕の席はあかなかった。

僕にとってのあこがれの会社員。
会社員になれれば、安心して胸をはって自分の仕事を他人に言えるのにと思った。

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