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SF的物語を書くのはキッツ

昔っから、SF的物語を書くのはキッツと思っていました。事実キツイ。

これでさ、これで、

「それから加藤くん、SNEWS(超新星早期警報システム、Supernova Early Warning System)の担当者、だれだっけな?」「デューク大のケイト・ショルバーグとミネソタ大のアレック・ハビッグだったかしら?」「そうそう、ケイトとアレックだったな」

って書くじゃないですか?このケイトとアレック、実在してるんですよ。この短い文章を書くのに20分。

小平先生が「何事もかに事も、諸君、ペガスス座IK星Aのようだぞ」って簡単に言う。

この「ペガスス座IK星A」を決めるのに2日。ほとんどのデータベースを見て、将来極超新星爆発を起こして、ガンマ線バーストが発生する候補を見つけるのに2日。中性子星、ブラックホール候補ではなく、極超新星爆発。なぜなら、中性子星、ブラックホール候補は距離が離れすぎて、水爆ICBMでは防ぎきれないから。

さらに、小平は簡単に言う。「ガンマ線バーストで電磁パルス現象が起こって、地球は滅亡する」どう「ガンマ線バーストによる電磁パルス現象」で「地球は滅亡」を調べた資料を基にして想像するのに6時間。

こちらはもっとひどい。メグミにドアーズの話までさせて、「地上のヘリウムの冷凍機がはおしゃかだ。超電導が切れてクエンチが起こる。LHCは8セクターだったな。1セクターあたり保有するヘリウムは15トン。合計120トン。どれだけクエンチで流出するかわからんが、コライダーのトンネル内はヘリウムで充満するだろう」という「LHCは8セクター」「1セクターあたり保有するヘリウムは15トン。合計120トン」を調べるのに1時間。

「『ビッグバン・セオリー』のシェルドンがヘリウムガスを吸い込んでキンキン声になったレベルの量」は知っていたので、これは1分。

「ガンマ線バーストのショートバーストとロングバースト」の継続時間を設定するのに3時間。

「大気中のオーロラは、太陽風のプラズマが低緯度地域まで高速で降下し、酸素原子や窒素原子を励起させ、燃え盛った。北欧神話もラグナロクもこれほどではあるまい」のたった一つの文章を書くのに1時間。

「2025年から全員引き戻したんだから」で、理論の飛躍に悩んで、もういいか、面倒と決断するのに1時間。

もう疲れたんで、次は、何も考えない、技術的な下調べがいらないものを書きます。もちろん、シリーズは続けますが、次はエッチなやつで何も考えないのがいい!

疲れました。






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