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同一性と心理学(Ⅰ)

このお題は、これ一回ではなく、連続して書きます。

また、性同一性障害は取り上げません。

なぜなら、ほとんどのケースで、自分はこう有りたいという個人的な願望を含んだものが多く、生物学的心理学的な本来の性同一性障害はごく一部と思っております。ほとんどのケースは、個々人の性的嗜好の延長線上にあるのではないかと疑っております。

なぜなら、性同一性障害が発生したケースは、置かれていた時代の無理解もありますが、性転換手術の発達により、幾何級数的に増大したからです。

ですので、自身がそう思っている人たちの中で、自分が本来の意味のLGBTなのか、それとも、個々人の性的嗜好の延長線上に「自分がLGBT」である(個人の性的嗜好を満足させるため)という妄想を抱いているのか、それは、時代の流行にしか過ぎないかもしれないんですよ。

同一性と心理学

心理学や精神医学では人格の連続性、すなわち時や場所によらずに自分は自分であると確信できる連続した自我状態は、自我同一性(ego identity)といわれる。

ドイツの精神病理学者ヤスパースは、自分が自分であるという意識すなわち自我意識を、能動性、単一性、同一性、限界性の四点から成り立つと定義した

【能動性】 自分の思考や行動が自分から発せられている(空間的には自分という意識の中に他者なるものは存在しない)
【単一性】 自分が単一であって二つでない(自分の限界を越えて外界や他者の中に自分は存在しない)
【同一性】 時間的にも同一である(時間的にも連続性を保持している)
【限界性】 自分が他人や外界と区別される(頭に浮かぶ考えや行動を自らが主体的に行っているという意識がある)

ヤスパースは、1)私がするという能動性、2)私は一人であるという単一性、3)私は時間が流れても私であるという同一性、4)外界と他人に対する自我の意識(自他の区別)という自我の四つの特性をあげている。

通常は一つの身体につき一つの同一性が矛盾しない状態で存在するが、これが損なわれる精神疾患に解離性同一性障害(一つの身体に複数の同一性が存在する疾患)などがある。このような障害においては、本人が喪失した記憶を有する別人格が登場する

性同一性障害(自己の性同一性が身体の性別と不調和な状態)もアメリカ精神医学会を中心に、このような精神疾患の一つとみなされるようになったが、英国政府は2003年の「性別移行者に対する政府政策」に於いて明確にこれを否定し(性転換症の項目を参照)、ジョグジャカルタ原則のとりわけ第3原則並びに第18原則に於いても明確に否定されるに到った。

フランク・ロイドのエッセイ集



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