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親を殺した匕首(1)

水素爆弾」を書いたので、私が13年前の8月6日にブログで書いたことを思い出しました。こんなことを再録すると嫌がられるかもしれません。イデオロギー傾向の強い人には嫌われるでしょう。それほど日本人の原爆アレルギーと戦争アレルギーはひどい。

しかし、私は「水素爆弾」で書いた「私の科学の定義は、何らかの役に立ってわからないことをわかるようにしてくれる分野、これにつきます。軍事技術への転用とか難しく曖昧なことは考えません・・・科学は人を救えますが、イデオロギーは人を救えません。過去の例から言えば、イデオロギーは人を殺す思想です。科学の発展を阻止するよりも百害あって一利なしのイデオロギーと宗教を禁止してほしいくらいです」は私が考えている事実(真実とは言わない)です。

バルバロッサノート!、世界史虐殺者ランキング」にありますが、

世界史虐殺者ランキング
第1位 毛沢東(中国) 6,000万人
第2位 ヨシフ・スターリン(ソ連) 2,000万人
第3位 アドルフ・ヒトラー(ドイツ第三帝国) 1,100万人
第4位 ポル・ポト(カンボジア) 300万人
第5位 レオポルト2世(ベルギー)200万人
第5位 エンヴェル・パシャ(トルコ) 200万人

1位、2位、4位は、マルクス/エンゲルス/レーニンの共産主義思想、3位はヒトラーの国家社会主義思想、5位は欧米植民地主義、同じく5位のエンヴェル・パシャは帝国主義です。

スターリンは、「一人の死は悲劇だが、100万人の死は統計」とい言ったそうです。スターリンは、人々を「反革命罪」「反ソ扇動罪」で処刑、彼らの写真や記録さえ抹消し、「いなかったもの」とするために大粛清しました。フランスの歴史研究家ステファヌ・クールトアの著書『共産主義黒書』によると、共産主義運動による死者は1億人だそうです。ナチス政権による虐殺、飢餓、病気などの犠牲者は1,000万人以上。世界中の肺ガン、糖尿病、殺人など20世紀での死者数は、共産主義による被害を超えません。また、有史以来、人類を累積的に虐殺したのは、宗教です。イデオロギーと宗教。私は、「科学の発展を阻止するよりも百害あって一利なしのイデオロギーと宗教を禁止してほしい

科学技術は単なる道具なのです。単なる道具を良くも悪くも使用するのは人です。大きく使用するのは、政治信条、政治思想、イデオロギーを持った力のある人達なのです。道具に文句を言えますか?

今日明日と再録します。
親を殺した匕首(2)に続きます。)

2007年8月6日、原爆アレルギー(1)

※以下の政治家は2007年当時の肩書。
久間防衛大臣の原爆にまつわる話、これは一応私の意見表明をしておきます。

まあ、ちょっと、昭和前期の日本人を想像してみましょうよ。

日露戦争で、騎兵の親玉、秋山好古少将が嘆いたのが、騎兵が露西亜軍に捕まると、捕まった途端軍事機密をベラベラ話してしまう、それで、日本軍の行く先、行く先に、露西亜軍が先回りする。これは困る、

「兵士諸君、捕虜になるのはいい、いいのだが、捕虜になった途端、サービス精神を発揮して、知っていることを全部話す必要はない。自分の名前、階級のみ話せばいいのであって、話さなくても、拷問に遭うこともないし、国際法でもそれは保証している。心配しないでよろしい」

なんて訓告を出さざるを得ませんでした。呑気でしたねえ・・・

これが明治期。明治維新の薩英戦争でも、薩摩も英国海軍も、捕虜は丁重に扱いました。

今、昭和後期から平成の今の自衛隊も、捕虜になったら屈辱、敵は拷問して、残忍の限りを尽くし、最後に殺されるんだから、捕虜になるよりは自決せよ、なぁ~んて教育はありません。作戦ミスで捕虜になったら、自分の名前、階級を繰り返して終わり。ま、イラク戦争で拷問してましたがね。国際法違反だから、そうそう起こることでもないでしょ。

ところが、江戸時代、明治時代、昭和後期から平成の日本人と、大正後期から昭和前期の日本人は、こりゃあ、民族が違うか、全員頭がおかしくなったかのようなありさま。アメリカ人も外から見て、怖かったでしょうねえ。

なんせ、竹槍ですよ、竹槍。女子供に真面目に竹槍を渡して、徹底抗戦しろ、と言っている政府・軍部です。狂ってましたねえ、日本人。

アメリカ人だって、日本本土の外でも相当手を焼いているのに、これが日本本土で上陸作戦なんて行ったら、ドイツ侵攻みたいには行かない。感覚として、ベトナム戦争(まだ起こってませんでしたが)みたいな泥沼・ゲリラ戦は容易に想像がついたはずです。

アメリカ人だって、日本人を怖がっていたんですね。私も当時にタイムマシンなんてので運ばれたら、怖いよ、当時の日本は。北朝鮮の比じゃないね。当時の日本は、今の北朝鮮よりもずっと巨大ですからね。

さて、戦争に関して。私はこう考えてます。

1.歴史の事象に関して、正邪はない
2.武器そのものに正邪はない
3.国際法に基づく戦争行為では、その範囲において手段は選ばない
4.国際法に基づく戦争行為では、その範囲において手段に善し悪しはない
5.戦争の勝者に不正義はなく、敗者に正義はない
6.戦争に勝てなければ何も言えない

まあ、そんなところです。東京裁判などの裁きの法廷も戦争のどさくさの後ですから、完璧な裁きなど有りません。戦争裁判で敗者に同情的な裁きなど望むべくもありません。

それからね、いんだら国際法とはいえ、一応宣戦布告した戦争で、戦後、勝者が敗者に戦時中の戦闘行為のあれこれを謝罪した、などということは、ほとんどないということ。

さらにいえば、結果として、原爆使用は戦争終結を早めたことは事実。日本政府、軍部は、3発目、4発目もある、と信じていたわけです。皇居に落とされてはたまらないと踏んだということ。実はなかったんですがね。

放射線兵器の悲惨さというのを喧伝するのもいいですが、直接の被害者だけではなく、子々孫々3代目ぐらいまで影響が残る兵器は他にもあります。原爆に限りません。

大量破壊兵器としては、ピンポイントじゃなく、味噌もも糞も一緒くた、敵国の軍事施設を周辺の非軍事施設、一般市民共々皆殺しですから、外聞も悪い。いよいよとならないと使えなくなったお粗末な兵器です。持っていても、よほどでないと使えません。相互破壊にもつながる。

ベトナム戦争で、ベトナムはアメリカに勝ちましたが、それで謝罪とか補償とかあまり言わない。いいことです。スリランカ政府、サンフランシスコ平和条約で、真っ先に日本の戦争賠償金の請求放棄を致しました。それで、今に至るも、スリランカ、日本の援助を当てに出来ます。賠償金よりも額が大きくなってます。頭良いね。スリランカを日本のポチ扱いできますか?すぐ、日本はアメリカのポチ、なんて言う人がいますが、本当にポチなら牛肉をもっと買ってますがね。 京都議定書なんて言い出さないですがね。

さて、原爆。数代に渡って影響が残るとはいえ、全国土じゃない。チベットのように、原爆は落とされなかったが、独立を奪われた国家よりも、全国民に対して致命的な影響は出ません。ソ連とアメリカに東西日本で分割統治されたよりもマシだったでしょう。独立を奪われたら、そのトラウマ、後の回復、資金負担、東西ドイツや南北朝鮮を見ればわかります。

昭和20年8月に2発落とさなかったら、アメリカはリトルボーイ、ファットマンを2発温存していました。日本は、たぶん、8月も9月も10月も戦争は継続していた可能性は高い。それで、1億総玉砕と声高に主張していたんですから、沖縄からB29が飛んできて、さらに全土が焼夷弾の嵐で、一般市民の死傷者は原爆被害者を越えていたはず。叩いた後でないとアメリカ軍も怖くて本土進行出来なかったでしょう。

それを考えると、原爆投下の方が安く済んだ、ということ。本来なら、沖縄戦前で、日本政府・軍部は戦争継続のムダ、無理を認識しなければいけなかった。日本政府・軍部のミスでしょう。自分のミスは棚に上げるかな?原爆がなければ、いかに天皇でも御前会議で押し切られて戦争継続に反対出来なかったはず。

久間防衛大臣の発言で、非難されたから、こう言い逃れしています。

>米国を恨むつもりはないが、勝ち戦ということが分かっていながら、
>原爆まで使う必要があったのか

あの頃のアメリカの心理を想像出来ていない。数々の玉砕の島、カミカゼ攻撃、降伏が世界の常識にもかかわらず自決する兵士。とても人間とは思えなかったでしょう。体格もまさっていたアメ公ですが、日本兵士、本当に怖かったんでしょう。

それが、勝つのはわかっていた、しかし、本土決戦までやられたら、相手は一般市民まで竹槍を持って闘う決意の日本人です。ベトナムの泥沼どころの話ではありません。何十万のアメリカ兵が犠牲になれば、勝利を勝ち取れるか、わかったものではない。

ドイツも全面降伏して、残りは日本だけ。早く、戦時を脱して、常態に戻したい、世界を正常にしたいと思えば、原爆の心理的な要因など関係ないでしょう。

私がアメリカの当時の政府首脳でもそう決断致します。

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