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ビートルズ アルバム紹介⑮『Let It Be』

ジャケットが4人の集合写真ではなく、別々に撮られた写真になっています。少し寂しさも感じてしまいます。この4人の写真は、1969年の1月に行われた「ゲット・バック・セッション」の時に撮影されたものです。

「Let It Be」のジャケット


どのようなアルバムなのか

発売:1970年5月8日

ビートルズ解散の約1ヶ月後に発売された、13枚目(イギリスでは12枚目)、そして最後のオリジナル・アルバム。
イギリスでは8週連続で、アメリカでは4週連続で1位を獲得しました。

このアルバムのセッションの時の様子が、Disney+で配信されている「Get Back」で観られます。また、先日DVDとブルーレイも発売されたので、そこから観ることも可能です。ただ、ビートルズ初心者の方は、ビートルズについて詳しく知ってから観ることをオススメします。


収録曲

(1)・・・アルバム「」収録曲
(青)・・・アルバム「青盤」収録曲
(YouTubeの視聴ページに飛ぶことができます)

  1. Two Of Us

  2. Dig A Pony

  3. Across The Universe

  4. I Me Mine

  5. Dig It

  6. Let It Be)(

  7. Maggie Mae

  8. I've Got A Feeling

  9. One After 909

  10. The Long And Winding Road)(

  11. For You Blue

  12. Get Back)(

( 6.『Let It Be』と 12.『Get Back』について
アルバム「1」と「青盤」では、シングルに収録されたバージョンを聴くことができます)


4,11曲目はジョージ・ハリスン名義。
5曲目『Dig It』はレノン=マッカートニー=ハリスン=*スターキー名義。
7.『Maggie Mae』は、リバプールの民謡のカバー。
他はすべてレノン=マッカートニー作詞・作曲。

(*スターキー・・・リンゴ・スターの本名がリチャード・スターキー)

リンゴのリード・ボーカル曲が収録されていない3枚目のアルバムです。



ここが良い!

散漫だと評価されることもあるアルバムですが、1曲1曲を見ていけば、質は高いと言えます。しかし、このアルバムのレコーディングの頃にはメンバー同士の関係も悪化してきていたのも事実で、セッションの際にジョージが一時バンドを脱退してしまいました。

このアルバムで注目すべき曲は、タイトル曲になっている超名曲『Let It Be』のほか、『I've Got A Feeling』や『One After 909』などがあります。

『I've Got A Feeling』は、かなり久しぶりとなる、ジョンとポールの共作曲です。といっても、別々に作った曲を組み合わせただけですが。アルバム「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」収録の名曲、『A Day In The Life』でも、この手法をとっていました。この『I've Got A Feeling』では、ポールが作った「I've Got A Feeling」とジョンが作った「Everybody Had A Hard Year」の2曲が合体しています。

今年行われたポールのツアーでは、ジョンとこの曲で共演していました。


そして『One After 909』は、実はデビュー前に作られていた曲で、デビュー前にビートルズが行っていたクラブでのライブでも演奏されていたそうなんですが、長らくリリースされることはありませんでした。しかし、このアルバムを作る際に曲が足りなくなってしまい、昔作った曲を収録することになったため、完成度の高かったこの曲が選ばれることになりました。



「Let It Be」と2つのアルバム

このアルバムは、実は前のアルバム『Abbey Road』よりも早くリリースされる予定でした。というより、元々は別のアルバムが作られる予定でした。実際にアルバム制作のためのセッションが行われたのですが、諸事情によりアルバムがなかなか完成せず、そのアルバムは幻となってしまいました。そして、セッションから1年以上が経過してから、映画『Let It Be』の公開に間に合わせるために、アルバム「Let It Be」として急いでまとめられました。

このときにアルバムをまとめ上げたのが、アメリカ人のプロデューサー、フィル・スペクターという人だったのですが、楽曲に過度の編集を施してしまったため、メンバーやファンからも賛否両論が挙がっていました。これを受けて、2003年に『Let It Be… Naked』というアルバムが発売されました。このアルバムには、フィル・スペクターの編集が外されたバージョンの楽曲が収録されました。



YouTubeでも聴くことができます。
↓(ビートルズ公式の再生リストです)





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