若気の至り

 いらない感情が溜まってむしゃくしゃしたときは、ロックに浸ることにしている。特に自我の強いロック。私がよく聴くのは、[Alexandros]とかGLIM SPANKYだが、ああいう「他人がなんて言おうと知ったことか、自分貫き通していこうぜ!」みたいなロックは、私の心を癒してくれる。


 私がロックを聴くようになったのは高校2年か3年の頃で、当時はONE OK ROCKにハマっていた。しかしどういうわけか[Alexandros]に出会い、ハートをぶち抜かれた。(当時は半分くらいボーカル川上洋平の顔ファンだったが。)


 それから私のロック愛は加速していき、気づいたら軽音楽サークルに入ってて、気づいたらエレキベースを買っていた。さらにライブにもしょっちゅう行ってて、毎月バイト代が入るたびにチケットを買う、というような生活を繰り返した。(ちなみにGLIM SPANKYはそのサークルでイカしている女子がコピーしていたのを見てからドはまりした。)


 大学3年の学園祭が終わった後くらいから、その熱も少しずつ落ち着いてきて、ライブにもしょっちゅう行くことはなくなった。それにサークルの後輩たちのイキがいいもんだから、少しは大人でいないとなあ、なんてどちらかというと遠くから見守るようになっていった。


 そんな、一度は過ぎ去ったように見えたロック・ブームが再び私の中で巻き起こっている。[Alexandros]が出した新曲、「風になって」が眠っていた私の心をノックしたのもあるが、一番はストレス発散だろう。もう子どもじゃないから言いたいことを何でも言っていいわけじゃないし、大声で叫んで走り回って暴れることなんてできやしない。


 大人になることへの抗いが、ロックへの情熱を加速させているような気がしてならない。誰しもいつかは大人になるけど、今はそうなりたくない。ただ、自分のためだけに好き勝手に生きていい「今」という時間が愛おしいのだ。


 一生に一度しかない、「若者」でいられる時間を満喫したいのだ。それを後押ししてくれるのが私にとってのロックだ。青臭い言葉に爽快感のあるメロディ、レスポールのギターソロと鈍いベースサウンド、そして耳が壊れるくらいにうるさいドラムのリズムが私にはちょうどいい。


 キャパ100人入るかわからないくらいの下北沢のライブハウスで暴れまわる日が一日でも早く来てほしい。


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