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表現するということ

私は5歳から高校3年生までピアノを習っていた。特別上手いわけではなかったけれど、ピアノを弾くことはとても楽しかった。

改めて思い直してみると、5歳から18歳までなので13年間も続けていたということになる。まともに練習できない時期もしばしあったが、何故こんなにも長い間続いていたのだろう。

多分、その答えは私が「表現をすること」を心から楽しんでいたからだ。某大手ピアノ教室に通っていたのだが、小学校5年生のときからグループレッスンに加えて個人レッスンも始めた。

そこで一番始めに担当してくれた先生が表現を大事にする方で、「イメージを持って弾く」ことを徹底的に指導された。例えば、中学1年?の発表会で演奏した「スケーターズワルツ」は流れるようなイメージで、キム・ヨナ選手の演技みたいに、という具合で。

https://www.youtube.com/watch?v=VdIsk-2pBYQ

それもあってなのか、音楽を体で感じ、こんな感じかな?というのを演奏で落とし込むことが面白いと思うようになった。特にバラード調の曲は大得意で、「乙女の祈り」、「パッヘルベルのカノン」、「ソナタ悲愴第二楽章」は弾いていてめちゃくちゃ楽しかった。笑

表現するのが何で楽しかったのだろう、ということだ。私はしゃべるのが苦手で、いつも言いたいことは上手く言えないタイプの人間だった。だからこそ、ピアノという楽器にエネルギーを吹き込むことで生まれる非言語コミュニケーション、自分の口で喋らなくても伝えることができる演奏はとても快感を覚えるものだった。

ピアノの演奏に限らず、絵を描くこと、文章を書くこと、これらは二十数年間生きていて何かしらの形で登場してくる。今まで意識することはなかったけれど、振り返ってみると「確かにそうだったかもな〜」とすとん、と落ちてくる。

ピアノは今は弾いていないし、絵もあまり描くことはないので今もなおやり続けているのは文章を書くことだけ。仕事として文章を書くかどうかはさておき、私はこれからも書き続ける人間でありたい。書き続けた先に何があるのかを楽しみにしようと思う。


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