頽落の日々と再生(きゃんたの日記3)

 朝晩の冷え込みが激しくなってきて、いよいよ本格的な冬の到来が迫ってきているのを犇々と感じる。
 町を行き交う人々は外套に身を包み、かじかんだ手をポケットに入れて歩く人もいれば、スマートフォンを操作しながら歩く人もおり、その無数の人々が空気を振動させている。その振動がもたらす温もりは、冬の厳しい寒さと対照的だからかは分からないが、私には微かに心地よく感ぜられた。

 私はあらゆる点において止まっていた。無際限に進み続ける世界の中で、私だけが、正確には私が知覚するものの中で私だけが歩みを止めていたのである。何をしていいのか、何をするべきか、何がしたいのか、私に突き付けられる全ての疑問符が私を執拗に悩ませ、苦しめてきたからである。私に何が起こったのかをここで書くと長くなってしまうし、それは今回の話の趣旨から反れてしまうので割愛させていただくが、とにかくその度に私は、与えられた選択肢を放棄し、結果として動くことをやめてしまった。それは、裏を返せば、動かないという選択をしたということになるかもしれないが、私はそれは選択ではなく、逃避といったほうが相応しいのではないかと思っている。
 だが、それも今日(正確には数日前であるが、ここに投稿する時間ということで理解していただきたい)で終わりにしようと思う。動き続ければ何かが起こるかもしれないし、少なくとも立ち止まるよりかは幾分かはマシだと思ったからである。過ぎ去ってしまったことや取り返しのつかないことはもちろんあるが、そんなものに気を取られずに潔く別れを告げて、今、延いては未来のために動き出していきたい。
 動き出すにあたって、私に一つ指針ができた。それは「書くこと」である。この日記もその一つであるが、自分の根底にあったものを叶えるべく、ひたすらに、がむしゃらに描き続けていきたい。その行為がやがて私自身を救済してくれるものになるまで、私はこの手を絶対に止めない。どうかこれを読んでいる人は、そっと見守っていてほしい。

 さて、読書の方であるが、最近の私は江國香織の「すいかの匂い」や「きらきらひかる」をはじめとした短編小説にハマっている。漫画は、連載されている幾つかの作品の他にも、新たに「ジョジョの奇妙な冒険」を収集し始めた。こちらの第六部のアニメがそろそろ放送し始めるので、非常に楽しみである。
 西加奈子の「夜が明ける」は既に読了しており、今回の彼女の本は約五年ぶりの長編だったらしいが、圧巻の筆致で描かれた文章は読みごたえがあり、主題もさることながら非常に完成度の高い物語であった(しかしとにかく話の内容が終始重いので、読む際には注意が必要である)。
 積読が小説と漫画を合わせて約三十冊あるため、年内にこれらを消費していきたい所存である。が、そうこうしているうちに読みたい本が刊行されていくので、なかなかどうして難儀なことでもある。
 総じてお金が足りない(切実)!年末はクリスマスと正月、さらに今年は成人式があるので、それぞれに期待して、財布を空にして待ち望みたい。

 だいぶ色々と凝縮してしまったため、何が何だかわからなかっただろうと推察されますが、なにとぞご容赦くださいませ。では今回はこれにて~

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