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密林の奥の親切な奴ら

「これはなんですか?」
「モハレ=ケミタの肉を焼いたものさ。祭りの日にはみんなこれを食べるんだ」
「これはどうも。いただきます」
「あぁ、いくらでもあるからどんどん食え」
「……へぇ、カニと牛肉の中間みたいな味ですね。いけますよ、これ」
「ハッハッハ、それを聞いたら妻も喜ぶよ」
「奥さんは今どちらに?」
「蜂蜜酒もあるぞ。飲め飲め」
「やぁ、どうもどうも」
「それにしてもあんたがこの村に来てから、もう半年経ったのか。早いもんだな。火の起こし方も知らない人間がいるなんて俺らも最初はかなり驚いたよ」
「この村の方々にはよくして頂いて、本当に感謝していますよ」
「もう明日には国に帰っちまうんだろ? さびしくなるなぁ」
「えぇ、これでも一応学生ですからね。この村の研究レポートを提出しないと」
「なんだかよくわからんが、たまには遊びに来てくれよ。あんたならいつでも歓迎さ」
「えぇ、必ず。奥さんにもきちんと挨拶していかないと」
「おぉーい! 酒だ! もっと酒をこっちに回してくれ~!」
「モハレ=ケミタってどんな生き物なんですか?」
「ささ、今日はあんたの送別会も兼ねてるんだ。遠慮せず飲んでくれ」
「奥さんは今どちらに?」

【おわり】

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