拝啓、NPO法人なんとか様

朝夕はようやく凌ぎやすくなりましたが、NPO法人なんとか様に置かれましてはお元気で活躍のことと存じます。

先日、貴方様に吉祥寺で声をかけられたのがもう遠い過去のように感じられます。私は、貴方様にお会いし、お話しできたことを嬉しく思います。当時私は、貴方様に様々な質問に答えました。そして、貴方様に投げかけられた私への疑問や矛盾点をそれ以降も私を悩ませ続けました。なぜこんなに「生」に対する執着がないのか。貴方様は「もう既にたくさんの物が手に入っている状況にあるからだ」と言ったようなことが理由だとおっしゃいました。確かにそうなのです。家もご飯も、大事な友達だって、服だって持っておりこれ以上何を求めればいいのか分からないのです。中学、高校は受験と言うものがあり、そこで「学歴」と言うものを手に入れるために必死でした。それも手に入れた今欲するという望みが消えてしまったのでした。きっとそれは、自信の停滞ということでしょう。自身が何も変化を求めないから、現状に満足している。しかし、私は出会いました。「生」に対する執着の欠片に。それは、好奇心です。世の中には「未だに、私には到底理解できない世界がある」ということを感じたのです。できないことがあると人はそれをやろうと努力します。そのできないことに出会えたことで私は変化を余儀なくされました。だがそのおかげで、真っ暗だった世界に一筋の光が差し込んだのでした。それは世界を照らすには足りないが私を起こすには十分でした。貴方様に出会えたことで私は光を感じることができたのです。改めまして、お礼を申し上げます。この度は、誠にありがとうございました。

この秋の豊かな実りをお祈り申し上げます。

令和二年九月十六日

              △△△大学○○学部        fantasita 

NPO法人なんとか様

    

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