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#183_【観光ガイド】ガイドご利用時の交通手段について

先日、あるお客様から「島左近の墓」を案内してほしいという問い合わせがありました。
私は戦国オタクではありませんので、何者なのかすらよく分かっていなかったのですが、島山の道路端から5分くらい山に入った場所にあるらしいという話は聞いていました。

【道路端にある地図です。】
【島左近の墓です。】

それだけの案内にお金をいただくのは申し訳なく思い、お断りしようとしたところ、「それでもいいので」というお客様のご意向があり、下見してきました。
最寄りの道路端から1時間かけ、やっとの思いで発見しました(苦笑)。
そして、お墓の写真をSNS に上げたところ、「私も見つけきらなかったんです!!」という方がおふたり判明しました(゜o゜;;。


対馬の交通問題

いまに始まった話ではありませんが、対馬に行きたいと思いながらそこに立ちはだかる大きなハードルに、「島内の移動手段」があります。

公共交通でいいますと、路線バスが厳原↔対馬空港間でおおむね1時間に1本、厳原↔比田勝縦貫線(国道382号線を走るバス)が1日5本、国道から外れる地区はだいたい1日2・3本(都合のいい時間に接続するかは別の問題)という感じで、タクシーについては、料金云々以前に、数年前に比べると長時間予約するのが難しくなっている印象です。

対馬の場合、特にマニアの方が行きたがる場所は、国道沿いにありませんので、移動に車の運転はほぼ不可欠ですが、運転免許を持たない、または返納した方も多くいらっしゃることでしょうし、見知らぬ土地で無事に運転できるか、こんなところ走って大丈夫なのか、船や飛行機の出発時刻に間に合うか、など様々な不安が頭をよぎると思います。

【厳原の街中です。こんな狭い道ですと、入るの躊躇しますよね。しかもガードパイプが…。】
【こういう道も恐る恐る走ることになりますよね…。(上県灯台)】
【こんなところも走れというんですか!?(神埼灯台入口。海沿いに走ります)】

「道路運送法の許可又は登録を要しない運送に関するガイドライン」改訂

従来、われわれ観光ガイドは、お客様を自家用車に乗せて有償の観光ガイドをすることが、道路運送法により「白タク行為」とみなされ、禁止されていました。

しかし、最近ある同業の方から「それ、新しいガイドラインになって解禁されましたよ」と聞き、最新のガイドラインを見てみました。

・「道路運送法の許可又は登録を要しない運送に関するガイドライン」(文章)
 https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001338101.pdf

・「道路運送法の許可又は登録を要しない運送に関するガイドライン」(スライド)
 https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001322024.pdf

従来、有償でお客様を運送する行為は、許可又は登録をしている事業者(バス、タクシーなど)でないとできないルールでしたが、少子高齢化に伴い、どこも人手不足ですから、運転手不足によりダイヤや営業時間が縮小される動きも出ていますし、「許可や登録を必要としない運送」の解釈が分かりにくいという話もあり、今年3月、それまでの通達や事務連絡が廃止され、新しいガイドラインが発出されました。

最近、前武雄市長の樋渡啓祐さんが、自治体ライドシェアの実現に向けて動かれている様子をSNSで拝見していて、その動きに期待しようかと思っていたところ、時はすでに訪れていました。
もちろん、この動きと連動していることは間違いないでしょう(^^ )。

ビーコンつしまでの対応は?

ガイドラインの内容について、観光ガイドに関係する部分を引用します。

⑤通訳案内士等による観光ガイド事業との一体運送
国・地方公共団体及び公益社団法人日本観光振興協会並びに公的機関が認定・付与する資格を有する観光ガイドが、ガイドのために人を運送する場合で、運送に特定した反対給付がない場合は、許可又は登録は不要である。
ただし、観光ガイドと称していても、提供されるサービスの実態が、当該地域に関する専門的な知識や高度な語学力等に基づくガイドの提供ではなく、単に目的地への運送のみである場合には、許可または登録を要する。

国土交通省 国自旅第359号
道路運送法の許可又は登録を要しない運送に関するガイドラインについて
Ⅱ.「有償」の意義
1.利用者からの給付について
(2)反対給付が「運送」に対するものではない場合の有償性判断
[法の許可又は登録を要しない場合(具体例)]

ポイントは、「国・地方公共団体及び公益社団法人日本観光振興協会並びに公的機関が認定・付与する資格を有する」 という文言です。
国や自治体でそんな制度があるなんて聞いたことありませんし、「日本観光振興協会、ガイド、資格」という感じに検索しても、全く資格の取得に関する情報が出てこないので、これではラチがあかんと思い、国交省の本省に電話してみましたf^_^;)。

担当の方に質問をしたところ、 やり取りの中身は割愛しますが、とりあえず弊社は条件を満たしているという結論になりました(‥;)。
ということで、周遊や現地までガイドの車に同乗いただくことが可能になりました(o゚▽゚)o。
※その場合、移動における実費相当額をいただきますので、ご了承願います。なお、ガイド料のお見積もりの際に、あわせて提示いたします。

「対馬は何度も行ける場所ではない」という方がほとんどかと思いますので、せっかく遠路はるばる対馬までやって来たのにお目当てのものを見逃してしまったらもったいないと思い、観光ガイド事業をしております。
ガイドラインの改定前では、交通手段を手配して、ガイドにも料金を払わねばならないとなると、正直出費が大きすぎる…とお感じになったかと思いますが、周遊や送迎が可能になり、少し負担が軽くなるかと思いますので、よろしければ観光ガイドのご利用を検討くださると幸いです。

対馬島内の周遊や、金田城、白嶽などのトレッキング、砲台、灯台などの近代化遺産めぐり、古墳、お墓まいりなどなど、ぜひお気軽にご相談くださいo(^-^)。

【金田城跡の石塁です。】
【白嶽山頂からの景色です。】
【姫神山砲台の棲息掩蔽部です。】
【芋埼灯台です。陸からも行けます。】


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