さきほどスーパーへいってました。
買い物しながら、トイレットペーパーがなくなってる、という話を思い出したので、売り場を確かめにいってみました。
ペーパー、確かにほぼなかったっす……
それどころか、ふだんはみっちりならんでいて前とおるだけで恥ずかしい生理用品の棚も歯抜けになっていました。
新型コロナウイルスのせいでトイレットペーパーが品薄だ、というのはデマだとはわかっていても、このがらーんとなった棚をみたら、「買わなきゃヤバイ……」としか感じられません。それに、昨日なんか、となりの市のホームセンターにも売ってなかった、なんて話まで聞いてたから、さすがに危機感を感じざるをえません。
家の在庫は2袋ありましたが、トイレットペーパー買い占めパニックがさらにつづくと苦しくなりそうなので、とりあえず1個は確保することにしました。
でね。
その、ほぼからになった陳列棚に、スーパーからの張り紙がしてありました。
それは文字通り、「心苦しいけど、1人1個でお願いします」というお願いだったんだけど、
「誤った情報にもとづく買い占めが発生しているため」
買うのは1人1個でお願いしたい、というものでした。
その簡潔な文面には、デマはゆるさない、という意志が静かにみなぎっていて、それだけでなく、デマに惑わされずみんな落ち着こう、と、スーパーの中の人が肉声ではげましてくれてるような気がしたのね。
なにひとつ、強気のことばとか、情緒にうったえることばとか使ってないのに、これはデマだという事実と、買い占めによる品薄パニック拡大回避のためのお願いを、げにも無駄なく事務的に述べているだけなのに、深く心をうつ、って、なんじゃこりゃ!?……って、私しゃ二度見したわよ。
それでね。
その張り紙のおかげで、「買わなきゃヤバイ……!」という気持ちがするのもたしかなんだけど、いま買うのは1個だけにしとくことで、1日でもはやく品薄騒動がおさまるならそうしよう、って自然におもえたし、「ヤバイ」という心のざわざわがすこし落ち着いたんだよねー。
・◇・◇・◇・
いまも、ことばというもはすごいパワーをもっているんだなぁ……としみじみしてるんですが、この文章を書きながら気がついたのは、
述べてあることが事実だから
だから、なにひとつ装飾しなくても力強いメッセージとなって響くことができたのだ、ということ。
買い占めが「誤った情報にもとづいている」ことも、店頭での品薄状態を解決するには買い占め自体をしないこと、つまり「1人1個」を原則とすればいいことも、どちらも事実にすぎない。
だけど「事実」だから、ゆるがないし裏切ることもない。空っぽの陳列棚のまえで不安をかきたてられている心にとって、「事実」はダイヤモンドのように力強い。力強いゆえに、安心できる。
そしてその力強さを、買い占めパニック終息のためのメッセージとして用いたスーパーの中の人、ほんとうにありがとう。
それ自体はちいさなことだけど、日本のあちこちでこんなちいさな取り組みがなされて集積することで、この新型コロナにともなうごたごたも乗り切ることができるのだと、ちょっと安心できました。
……ということで。
話はとびますが、「新型コロナ掲示板」というマガジンをつくろうと思います。
ていうか、つくりました。
ひとつには、自分も「感染した人の職場の近くのスーパーにときどき買い物にいってる」ってことで不安を感じたりしていて、できるだけ情報を集積したい、というのがあります。
それと同時に、noteでも、このスーパーの張り紙のように「自分の持ち場で出来ることをやろう」と情報発信しているひとがすくなからず存在するので、その心意気をつないであつめたらなにかパワーを発揮するのではないか、と思うからです。
誰かの何かのお役にたてたらさいわいです。
いま、病気で家にいるので、長い記事がかけてます。 だけど、収入がありません。お金をもらえると、すこし元気になります。 健康になって仕事を始めたら、収入には困りませんが、ものを書く余裕がなくなるかと思うと、ふくざつな心境です。