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野望は【丁寧なごはんを手抜きして作る】こと

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病気やアレルギーやメンタルが落ち込んでたりで日々の料理が苦痛な自分のための、毎日それなりのものを食べていくための、なにかコツのようなものを書いたり集めたりしたものです。 だってね…
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#エッセイ

雪のような真っしろな塩もみ《頭の悪いレシピをばおひとつ》

 義父の家庭菜園、小松菜が芽をだして、すこし大きくなったので間引きました。  でも、もともと…

尊厳とゴミ箱

朝、鳥を捨てた。 私の手を離れたそれは、駐車場の片隅にある青いゴミ箱の中にボスンと落ちた…

なんのへんてつもない白菜の重蒸しこそ奥深い 《頭の悪いレシピをばひとつ》

 11月にはいってから急に寒いし、豚肉食べたいし、野菜もたっぷり食べたいし、白菜はひとたま転…

昨夜、夫が「今年は冷やし中華(インスタント)がまだ特売になってない。変だ」と。まだ酷暑だし、特売したら損じゃん、というと、「この暑さもこの1週間くらいで終わるはず!」とえらい自信。たしかに、今朝は急に冷え込み、予言的中。でも、季節の変わり目をラーメンの特売で感じるのはちょっと……

ボウルのなかにツナの空き缶が2つも入っていたので、ぽいっ!ってしたら、帰ってきた夫に「缶が無い!」ってしかられました。なんでも、トウモロコシを蒸すための「道具」なのだそうです……広めの鍋に浅く水を入れて、空き缶の上にトウモロコシを1本ずつのせて……的な。夫、案外、アタマいいかも。

8月31日、子どもの弁当再開を思うとゆううつでした。9月1日、日曜日でよかった、とほっとしました。9月2日は始業式、9月3日は実テ。3日の猶予で、苦手なことに立ち向かう気構えが整いいました。だけど、8月31日、心底嬉しかったのは、9月からは2年半通った歯医者に行かなくていいこと!

義父宅は裏の藪でたけのこを掘る、という究極の産直が可能です。が、実態は、たけのこを放置していると、地下茎が伸びてきて庭が竹藪になり、床下からたけのこが!という危機と隣り合わせ。だから、たけのこを収穫することで、義父は家を竹から守ってきました。春が来るたびに、数十年もの間、ずっと。

たけのこの皮の重なり目は、着物の襟の重なり方と全く同じビジュアルです。だから、1枚ずつ丁寧に皮を剥いでいると、かぐや姫をヌードにしているような気分になってきます。それにこの重ね着具合い、剥いでも剥いでも中身が出てこないところは、まさに十二単……孟宗ならぬ妄想が姫を生んだのかも。

夫と義父が裏のたけのこを掘ってきたのが昼過ぎ。すぐにぜんぶ皮をむき、いましがた茹であがりました。めっちゃやわらかくて、めっちゃあまい。えぐみもぜんぜん残っていません。こんなに旨いたけのこは初めてです。目の前で掘ったものをすぐに料理するというだけで、ここまで味わいが違うとは!

白菜を蒸すだけで餃子感が楽しめる!?って、マジで興味津々……だけど、それ以上に、阿古さんがうつとたたかいながらたどり着いた「料理」であることが激しく尊くて、なんか、涙がじわる。

阿古真理さん《うつのおかげで考案した時短料理》
https://note.mu/acomari/n/n02b5891acfaa

不調で長文がかけなくなっていました。ひさしぶりにふと長くかけたら、ひさしいあいだ聴くのがしんどくなっていた交響曲が聴きたくなりました。しょぼかった晩ごはんも、おかず多めで出来ました。ということは、この三者はバラバラの事象ではなく、ひとつにつながっているのでしょう。脳の不思議です。

獲って、殺して、そのうえ、死体であることを忘れるくらいきれいにさばいてくれる人がいて。そんなふうに生々しい死を遠ざけてくれる人たちがいるから、毎日平気で肉と魚を食っている。

ワタナベアニさん《穀物の上に絶命した魚類を添えて。》
https://note.mu/aniwatanabe/n/nc1ab25b10885

夫がサラダを作るといって、アボカドを角切りに、新タマネギときゅうりを薄切りにした。え、その組み合わせ、味が想像できん……と横目で見ていたら「ドレッシングとか作って」と私にまさかのアウトソーシング!
ふつうの味では無理ゲーなので、キムチで和えたら「え!?」って……ほな、自分でせい!

実を言うと義父の家庭菜園には大根も2畝、植えられていますが、手が出せていません。なので、せめてもと思って、これもまたつぼみと柔葉を摘んでおひたしに。人間の都合で種をまき、生やしたものなので、食べられるだけ食べてあげるのは人間の責任です。 あ……でも、植えたのはお義父さんやけど……