ランチの女王

ドラマ「ランチの女王」を毎晩入浴時にTVerで見てる。なかなか心温まるホームコメディドラマ。だが、今日は親父さんが亡くなる回だった。くも膜下出血で、突然。
あー、母と重なる。直前まで作ってた料理が残ってるのも、遺された側が「ああ言っておけば」と自分に怒りを覚えるのも。
子供のころ、母とよくランチに行った地元のお店を思い出した。鵠沼海岸のビストロ624というお店。「コレステロールなんて言葉は聞こえません」と言わんばかりにクリームをたーっぷり使用したたらこスパゲッティ。肥満児だった私は、自転車を走らせてそれを食べに行くのが楽しみだった。ご夫婦でなさってるお店で、奥さんが食後にいつも、私にアイスクリームのおまけをつけてくれた。でも母は人の恩を素直に受け取れないようで「すいません」と繰り返していた。そして私に「おまけが欲しいみたいだよね、来づらくなっちゃったね」と小声で言った。私も段々恥ずかしさを感じてはいた。体型のせいもある。結局、そのまま行かずじまいだった。
母が亡くなってしばらくしてから、「あー、あのたらこパスタ食べたい」と思った頃には、もぅお店がなくなってた。あれもこれも「もう一度」と思うときには手に入らない。その分色々なものを獲得してるんだろうけれど。
今日は母の月命日だ。だからこんな気持ちにさせてるのかな…

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