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「遺族」になってしまったら?その②

はじめに

シリーズ2本目です。
ご逝去に伴う手続きは、大きく分けて3つあります。
①公的給付シリーズ
②名義変更・解約シリーズ
③遺産相続シリーズ

今回の記事は、②名義変更・解約シリーズです。
②名義変更・解約シリーズでは、主に11種類に分けて解説します。
①公的給付シリーズはこちらからご覧ください。↓


⑴国民年金の種別変更

厚生年金に加入していた方が亡くなり、配偶者様がその扶養に入っていた(第3号被保険者)場合に必要な手続きです。
・照会先:市区町村役場、年金事務所
・必要書類:変更届、年金手帳
・申請期限:14日!

配偶者様が働く予定がない場合・・・・市町村に届け出て、第1号被保険者に変更
配偶者様が仕事を始め厚生年金に入る場合・・勤務先で第2号被保険者に変更

⑵公的医療保険の変更

ご逝去された方の加入していた健康保険に応じて、資格の喪失手続きが必要です。
・照会先:健康保険組合or市区町村、勤務先
・必要書類:変更届、健康保険証など※保険証の返還が必要です
・申請期限:14日!

また、配偶者様やお子様が扶養されていた場合、新たに健康保険への加入が必要です。
配偶者様は勤務先の健康保険に入るか、無職やパートの方は市区町村役場で国民健康保険に加入する手続きをしなければなりません。お子様がその配偶者様の扶養に入るのであれば、配偶者様が勤務先に申請します。その時には住民票や学生証の写しなどが必要になる場合があります。

⑶生命保険・損害保険の手続き

ご逝去された方にかけられている保険や、契約者になっている保険がある場合は、手続きが必要です。
・照会先:生命保険会社、損害保険会社、代理店
・必要書類:本人確認書類、死亡診断書、戸籍謄本、領収書など
・申請期限:3年以内
※必要書類が揃えばOKという会社もあるかもしれませんが、約款で3年と定められている場合も多いので、速やかに行いましょう!

お亡くなりに伴う保険金のほか、直前の入院・手術の給付金の請求手続きをしましょう。また、ご逝去された方が契約者になっている契約については、名義変更の手続きが必要です。
解約を検討する場合もあるでしょう。名義変更や解約の手続きでは、契約者が亡くなったことや、手続き者が相続人であることを証明するために、詳細な戸籍謄本の提出が求められることがあります。

⑷世帯主の変更

世帯主の方が亡くなった場合、市区町村役場に世帯主変更届を提出しなければなりません。1人世帯になった場合は手続き不要です。
・照会先:市区町村役場
・必要書類:世帯主変更届、本人確認書類
・期限:14日!

⑸住居に関する手続き

賃貸契約でご遺族様が引き継ぐ場合、名義変更が必要です。
・照会先:家主、管理事務所、住まいセンターなど
・必要書類:印鑑、印鑑証明書、住民票の写し、戸籍謄本、所得証明書、名義承継願など
・期限:速やかに

持ち家で住宅ローンを組んでいた場合、団体信用生命保険に加入していることがあります。
団体信用生命保険とは、住宅ローンの利用者(債務者)が亡くなった際にローン残債を弁済する保険です。保険料は銀行などの債権者が負担しており、債務者が万一の時には保険会社がローンの残金すべてを債権者に払う仕組みです。
・照会先:住宅ローンの借入先など
・必要書類:請求書、印鑑、死亡診断書、債務残高証明など
・期限:3年以内

⑹年金受給の停止・未支給年金の請求

ご逝去された方が年金受給者であった場合、必要な手続きが発生します。

〜年金受給の停止〜

・照会先:市区町村役場、年金事務所
・必要書類:年金受給者死亡届、本人確認書類、住民票、戸籍謄本、死亡診断書、
年金証書、預金通帳など
・期限:国民年金・・14日以内!/厚生年金・・10日以内! 

〜未支給年金の請求〜

年金は、偶数月の15日に前月分と前々月分が支払われる後払いの仕組みです。なので、まだもらっていない年金が発生する場合があります。生計を同じくしていたご遺族様から、年金受給の停止と同時に請求しましょう。

⑺公共料金の名義変更・解約

電気、ガス、水道、新聞、電話、インターネット、クレジットカード、携帯電話、運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなどの名義変更や解約が必要になってきます。
・照会先:各会社、郵送物に書かれている照会先、運転免許証は警察署または免許
センター、パスポートは旅券事務所
・必要書類:手続きによります
・申請期限:速やかに ※使用が本人に限られているものは特に速やかに!

⑻預貯金の解約・名義変更

ご逝去された方名義の預金口座は停止されます。基本的に、遺産分割が終わるまで引き出しや解約は制限されます。口座振替などもされません。
ご遺族様の生活費などのために必要な場合は払い戻しが可能ですので、金融機関に相談しましょう。

その後は、口座から全額を払い戻して解約名義変更によって口座を引き継ぐかのどちらかになります。
・照会先:金融機関
・必要書類:印鑑、本人確認書類、印鑑証明、被相続人名義の預金通帳、キャッシ
ュカード、証書、戸籍謄本、印鑑証明書、遺産分割協議書など
※解約か名義変更か、遺言があるかどうかなどによって変わってきます
・期限:遺産分割確定後速やかに

⑼有価証券の名義変更

ご逝去された方が株式、投資信託、債券などを持っていた場合は、名義変更が必要です。
・照会先:証券会社、証券保険振替機構(会社がわからない場合)
・必要書類:印鑑、本人確認書類、印鑑証明、戸籍謄本、請求書、マイナンバーが
わかる書類、遺産分割協議書
・期限:遺産分割確定後速やかに

⑽不動産の名義変更

土地や家屋については、所有権移転登記が必要です。
この手続きは強制ではありませんが、持ち主を変えないままでは売却などができません。
・照会先:法務局、(司法書士)
・必要書類:申請書、印鑑、本人確認書類、印鑑証明、戸籍謄本、住民票、遺産分
割協議書、固定資産税評価額の証明書
・期限:遺産分割確定後

(11)自動車の名義変更

ご逝去されていた方が車を所有していた場合に必要です。
・照会先:運輸支局、自動車登録事務所、軽自動車検査協会
・必要書類:印鑑、本人確認書類、印鑑証明、戸籍謄本、車検証、遺産分割協議
書、車庫証明書など
・期限:遺産分割確定後速やかに

その②まとめ

②名義変更・解約シリーズのポイントは「期限が短い」ことでしたね。公的医療保険や介護保険関係はご逝去後14日以内と定められているものが多いので、優先して進める必要があります。

また、今回は必要書類がたくさんいるものも多く、なかなか大変!という印象を持たれたのではないでしょうか。
戸籍謄本のように、いくつかの手続きに共通して必要な書類もあります。取得にお金がかかる書類もありますが、コピー提出でOKな場合もあるので、手続き先に確認しコピーをうまく使いましょう。コピーを取るときは全部のページを取ることをお忘れなく!また「取得後6ヶ月以内のものを提出」など書類の使える期限が決められていることもあるのでご注意を。

では、次は最後の③遺産相続シリーズでお会いしましょう♪








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