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#今日の学び No.40「SNSと心理学#後編①」

どうもです。最近横になるとすぐ寝てしまいます…常に眠気があるような感じがしますね。Anbyです。

今回の内容は、「SNSと心理学」シリーズ最終章になります(まだ続きます)。続いている内容ですので、前回の記事に目を通した方がより内容を理解しやすいかもしれません。では、今日も参りましょう!

1.何故炎上は起きる?(つづき)

前回の記事にて提起しました問題について再度提起しましょう。

人は何故他者を攻撃してしまうのか?

俗に言う「炎上」の現象が起きてしまう原因について考えていました。心理学的に言えば、この炎上は自身が他者に攻撃することで生じている、と言えます。では何故人は他者を攻撃してしまうのでしょうか?

これは前回の内容も少し関係してきます。アメリカの心理学者マズローの提唱した「欲求5段階説」によれば、人は低次の欲求から順に満たしていく行動を取ることになります。SNSを利用するのは孤独を避け、集団や社会に属したい、という欲求から派生し、承認欲求を満たしたいという欲求へと繋がっていきます。

しかし、皆さんも普段の生活を過ごしていて分かるかもしれませんが、少なからず不安や欲求不満を抱えていることでしょう。よりフラットな表現で言えば、ストレスを抱えて生きているでしょう。もちろん、ストレスが全面的に悪いなんてことはありません。心理学の研究においても、適度なストレスに置かれた状況である方が、ストレスが全くない状況よりもより成長することができる、ということが分かっています。

大事なのは、抱えたストレスをどう処理するか、ですね。ずっと抱え込むのは、自分で自分の首を絞めているようなものですし、さらには上手く発散できずによりストレスを強めてしまったりなど、上手に対処できなければ身を亡ぼすことになりかねません。

色々なストレスの対処法はあるでしょう。どれが適しているかは個人差があるので、一概には言えませんが例えば趣味に没頭したり、思い切り体を動かすスポーツをしてみたりなど、普段やらないようなことをやってみると案外吹っ切れたりすることがあります。本来ならばこのようなストレス対処法がいいのですが、これには相応の時間などが必要になってきます。

日々忙しくされている方は、そんな余裕はない、と言うかもしれません。では、そのような人はどのようにしてストレスを発散するのでしょうか?

2.攻撃のロジックを明らかにした実験

ここで1つ、非常に興味深い実験を紹介しましょう。アメリカの心理学者ウィリアム・ペターゼンが2000年に発表したものです。

ペターゼンは、大学生64人を2つのグループに分け、片方を「怒りあり」の状態に、もう片方を「怒りなし」の状態にしてランダムのアルファベットを並べ替えて単語を作るという問題を解いてもらいました。ここで言う「怒り」とは、テスト中に気が散るような耳障りな音楽を聴かせ、問題の難易度も難しく設定することでストレスを与える、ということを指します。

そしてテスト終了後、さらにグループを2つに分け、片方を「触発あり」の状態に、もう片方を「触発なし」の状態にしました。したがって全部で4つのグループに分かれたことになります。「怒りあり・触発あり」「怒りあり・触発なし」「怒りなし・触発あり」「怒りなし・触発なし」ですね。ここで言う「触発」とは、「お前らのテストの平均点は低い」や「再試験の必要があるが時間の無駄だな」などの侮辱的な発言を(試験監督が)することで不快な気持ちにさせるような仕掛け、という意味です。

4つのグループに分かれた状態で、テレビの画面越しにアシスタントが問題文を読み上げて正解を当ててもらうクイズを行いました。その際、触発ありのグループは、アシスタントが問題文を早口で読み上げたり、活舌を悪くしたり問題文を読み間違えたりしました。

その後、4つのグループ全員に、アシスタントに対する評価のアンケートを実施しました。アシスタントの仕事ぶりについての評価を集め、実験結果としました。

皆さんは、どのグループがアシスタントに対して低評価を付けたと思いますか?

結果は、なんと「怒りあり・触発あり」のグループだけがアシスタントに対して低評価を付けたのです。さらには、「怒りあり・触発なし」のグループは「怒りなし・触発あり」のグループよりもアシスタントに対して良い評価を付けました。

この実験から分かることは、人は「欲求不満」と「きっかけ」の組み合わせが起きると攻撃的になる、ということですね。この欲求不満は、ストレスや怒り、劣等感などと言い換えることができます。人は不満やストレスを抱えると、基本的にはなりふり構わずに攻撃することはありません。この実験で言えば、侮辱的な発言をされても怒りを露わにせずに我慢しています。これは発言者が試験監督という、逆らうことはできないような立場にあるからでしょう。社会に属していればなおさら強くそう感じるでしょう。

つまり、「怒りあり・触発なし」のグループは攻撃しなかったことから、怒りや不満があったとしても攻撃しやすそうな他者がいなければ攻撃が起きない、ということができます。心理学では、この攻撃しやすそうな他者のことを「スケープゴート」といいます。そしてまさしくこの実験は「スケープゴート現象」を実証したものと言えるでしょう。

まとめると、「怒りあり・触発あり」のグループは、不満や怒りが溜まっていて、そこにスケープゴートとして適切なアシスタントに対する評価を聞かれたために、悪い評価を下した...ということになりますね。アシスタントは画面越しの人物であり、知り合いでもなんでもないために低評価を付けても自分に害はない、と判断したのかもしれません。

3.SNSはスケープゴートを見つけやすい⁉(つづく)

不満や怒り、ストレスがある状態で、攻撃しやすい他者(以下スケープゴート)がいると、人は攻撃的になることが先の実験で明らかになりました。

炎上が起きてしまうのは、日々抱えているストレスや不満が溜まり、SNSを利用しているとスケープゴートがたくさんいるので、攻撃してしまう。というプロセスを経ていることが予想されます。

ここでさらに大事なのは、このスケープゴート現象は外部からのストレスのみによって生じるものではない、ということです。その辺りの話についてはまた後日...

4.最後に

というわけで今日も引っ張ります。すみません。本当は今回の内容で「SNSと心理学」は終わらせるつもりだったんですが、意外と長くなってしまい結局明日に持ち越すことにしました。

明日テストあるので今から勉強します…ここまでお読みいただき本当にありがとうございます!ではまた明日...ごきげんよう!

第42号

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