行動心理学: 「(心理学の)平均以上効果」 <ー 相手のプライドをくすぐり、営業に役立てることも可能かも?
今回は「(心理学の)平均以上効果」について見て行きましょう。
「(心理学の)平均以上効果」: ある特性や能力において、一般平均以上であると自己評価する傾向のことを指します。例えば、アメリカの高校生を対象に行った調査では、自分は平均以上のリーダーシップ能力を持っていると答えた生徒は約70%、平均以下だと答えた生徒は2%しかいなかったという報告があります。
平均以上効果は、自己奉仕バイアス(self-serving bias)の一種とみなすことができます。自己奉仕バイアスとは、自分の成功は自分の能力や努力によるものであると考え、自分の失敗は外的な要因によるものであると考える傾向のことです。平均以上効果も、自分の能力を過大評価することで、自分の成功に自信を持ち、失敗を受け入れやすくする心理的なメカニズムと考えられています。
平均以上効果が生じる理由としては、以下のようなものが挙げられます。
自己の認識の中心化
人は、自分の特徴や能力を、自分自身を基準として認識する傾向があります。そのため、自分の能力を過大評価する傾向があります。
自己の肯定的な側面の強調
人は、自分の肯定的な側面を強調し、否定的な側面を軽視する傾向があります。そのため、自分の能力を過大評価する傾向があります。
平均の過小評価
人は、平均を過小評価する傾向があります。そのため、平均よりも自分の能力が高いと判断する傾向があります。
平均以上効果は、人間の自然な心理傾向であり、必ずしも悪いものではありません。しかし、平均以上効果に過度に依存すると、自己評価が歪められ、適切な判断や行動を妨げる可能性があります。
平均以上効果を避けるためには、以下のことに注意するとよいでしょう。
客観的な情報に基づいて自己評価をする
自分自身を客観的に評価するためには、他人の評価や客観的なデータなどを参考にすることが重要です。
自分の肯定的な側面だけでなく、否定的な側面にも目を向ける
自分の長所と短所をバランスよく認識することで、より正確な自己評価ができるようになります。
平均を正しく理解する
平均は、ある集団の中で最も多くの人が持っている特徴です。平均を過小評価するのではなく、正しく理解することで、自分の能力をより正確に評価できるようになります。
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