スポーツニュースが気持ち悪い
あなたはスポーツ観戦がお好きだろうか? 僕は嫌いである。特に団体で行う競技が苦手である。
オリンピックを筆頭として国際大会が開催され、盛り上がってくると、いや、メディアが盛り上げてくると、そのスポーツを見る人が増えるようだ。観るではなく、見るである。観戦ではなく、見物である。
あなたは何故そのスポーツの試合を見るのですか? そのスポーツについて、どれだけのことを知っていますか? 別にいわゆる「俄か」を馬鹿にしている訳ではありません。俄かでも好きなら良いのです。誰だって最初は俄かなのですから。僕が尋ねたいのは、そのスポーツが本当に好きなのですか? ただ、自分の所属するコミュニティの代表が勝つのを見て、勝手に興奮しているだけではないのですか? ルールもよく分からないけれども取り敢えず勝ってくれれば何でも良くて、「感動しました!」「勇気(元気)をもらいました」という安っぽい感想を言えればそれで良いのではないですか?
スポーツを観る意味とは、その試合内容に心奪われることであり、自国の勝利を喜ぶことではないと思います。良い試合は良い試合であり、それは勝敗とは関係ないし、ましてやどこの国の選手かなんて意味がない。芸術において、誰が描いたものか、創ったものかは関係がないでしょう。それと同じことです。
未だに何かと引き合いに出されるWBCでの優勝ですが、優勝最有力だった米国チームでは、その後の本国での開幕を控え、主力選手が怪我などの危険性を恐れて出場しなかった点は、あまり伝えられていません。名前は忘れましたが、日本代表チームの何とか監督の名采配が……、とか報道されて(させられて)いるのを見ると、競技人口の減少が止まらない野◯の関係者の皆さんの焦りが伝わってきて興味深いです。それで無くても野◯は、根性論を基本とする古臭い体質から抜け出せない一部の低レベルな指導者が後進たちのやる気を削ぎ、サッカーを始めとする他の多様なスポーツ競技に目を向けさせているようです。スポーツ=野◯の時代はもう終わったのに、その事実を未だ受け入れられないのでしょう。
あと、監督気取りで「あの時、◯◯は交代させておけば良かったんだ」とか、選手をあたかも自分の駒のように表現して自説を語るおじさんがいると聞きますが、本当なら最悪と言う以外ないですね。何か職場でのコンプレックスの裏返しなのでしょうか? そう言うのは、たんまり金稼いでチーム買ってから言え。
ところで、日本は代表チームに◯◯ジャパンとか変な愛称(?)を付けるの好きですね。そして、大概センスが……。
団体競技に比べて陸上、体操、格闘技といった個人競技はまだマシなのですが、それでも「感動マニア」はここにも。
オリンピックに限った話になりますが、メダルの数に異常に拘るのが薄気味悪いです。選手本人が、どうしてもメダルを取りたい、なら分かります。知人・友人くらいまでが、メダルを取らせてあげたいまでは、まだわかります。しかし、赤の他人が同国だからという理由だけでメダルを取って来い、自分たちを喜ばせろ、満足させろ、興奮させろ、というのは単なる搾取です。あなたはその選手を(名前と顔くらいは)知っていますが、選手はあなたのことなど全く知らないのですよ。
その昔、オリンピックに出場した女子競泳選手が成績不振に終わったとき、しつこく食い下がるメディアに対して「そんなにメダルというなら自分でやればいいじゃないですか」という主旨の発言をした。僕はこれに対し、「確かに」としか思わなかったのだが、もちろん世間の大半の反応はヒステリックなまでに否定的で、税金泥棒と騒いだ輩もいたらしい。おいおい、お前は、どんだけ税金払ってるんだ。こういう奴が公務員に対して「お前ら、俺らの払った税金で食わせて貰ってるんだからな」と言うのだろう。そんなに言うなら、お前が公務員になれば良かったのに。
僕はテレビでニュースを見ていても、スポーツコーナーが始まると別の局に変えることにしている。何故かどの局もスポーツコーナーは同じ時間帯に流すことが多いので、「逃げきれない」こともあるのだが、そんな時はテレビに暫しの休息を与える。日本のどこかのテレビの前で贔屓のチームが勝ったのを見て、本来の意味での感動を得るのでは無く、只々鼻息荒く興奮しているだけの覗き魔がいるのを想像するだけでも気分が悪くなるからである。
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