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N4書房日記 2022 0111-0121

0111

映画「キューポラのある街」を観直す。この映画の監督が亡くなった時に追悼番組としてテレビで放映された(白黒映画なのに)のが初見で、当時やけに感銘を受けたが、今の方が身に染みて面白く、そして悲しい。


0112

「噂の探偵QAZ」の OPとEDの映像をツイッターで見かけたので「この頃はまだコーネリアスじゃなくて小山田圭吾名義なんだなあ」と、勝手に懐かしがっていたら、この時点でもうコーネリアスだったとのご指摘を受けた。どうも済みません。



0113

気を許せない相手との会話では、表面的な話題Aくらいまでしか話せない。やや親しいとBまで、もっと親しいとCまで、さらに思いがけない話題Dまで話せる間柄もある。

ところが、周りは気を許せない聴衆ばかりでも、話の相手が親しい人だと感じられれば話題Dまで話せてしまう。

これは雑誌や単行本向けのインタビューにも言えることで、何でも話せる間柄になるまでは多くの時間や手間がお互いにかかるのに、その記録はどこのだれだか分からない有象無象にまで筒抜けになる。

これはコーネリアスに限らず、今日もあちこちで起こっている。



0114

「長い呪いのあとで~」の3回目が公開されていた。残りが2回というのは勿体ないくらいで、全10回ほどに延長してほしい。




0115

「N4書房券」を何枚か作ってみた。

券に印刷するシンプルなルールと、少し細かいルールを分けて、どちらも送付しないといけない。



0116

販売できそうな古本は、漫画だとジャンプ系の人気作品と大島弓子、古雑誌は「スペクテイター」くらいしかない。とりあえず様子を見ながら少しずつ売りに出す。


N4書房券に通し番号を付けることにした。これは偽造防止と管理のため。



0117

昨夜は久々に「music is music」がラジオに帰って来た。イーノ、坂本龍一、ジョビン、サティなどがオンエアされた。その直前にTBSラジオで吉永小百合の番組を聴いていたら大瀧詠一の「ロックンロールお年玉」がかかってビックリ。



0118

本棚を探すと、意外なほど「売れば売れそうな本」が出てくる。N4書房として新刊を出せない月(およそ年間で10ヶ月くらい)はこれらを少しずつ販売していくことにする。



0119

日帰りとはいえ遠くに行くことになり、行き帰りの電車でサラ・パレツキ―の「沈黙の時代に書くということ」を60ページほど読んだ。差別や発言に関するエッセー集で、内容も文章も翻訳も良いのですんなり頭に入ってくる。ちょっとした箇所が面白い。たとえばお兄さんが語学の天才で、十一か国語を話し十五か国語を読めるとか、「若草物語」に関する思い出とか、ギャスケルがディケンズと並ぶくらい優れているとか。



0120

大江健三郎論がネットで連載されていたのを見つけた。高校生の頃、倉橋由美子が「雨の木」連作を退屈だと貶していて「そうだそうだ」と同調したものだが、たまに大江健三郎を読むと心に錘がズシンと置かれたようになる。そういう読後感を与える作家は大切にしなければならない。



かといって生真面目で重苦しいばかりの人ではなくて、むしろ軽率さと真面目さが同居している。とりあえずみんな「飼育」と「セブンティーン」と「芽むしり仔撃ち」は読みましょう。


古本として売れそうな新書や文庫を300-500円ほどで売ることにする。岩下志麻のインタビューとか筒井康隆の新書とか、買って一年も経っていない。メルマガ読者用にN4書房券の500円券も作る。


0121

まったく世の中も人間もどうしようもねえな、と悪態をつきたくなるようなニュースがあり、個人的に飛び上がるほど嬉しくなるニュースも同時に来るので、人生観をどう設定すべきか悩んでしまう。


次第次第に「ベレー帽とカメラと引用」の06.07号の内容が固まりつつある。



*この日記は10日~一か月くらいの単位での更新になります。


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