ちょっとした偶然

は不意に起こる。起きてもほとんど気づかないこともある。そういうことがあったのでメモしておく。

このところ「カメラ・トーク」のことばかり考えていたので、別の系統の音楽を聴きたくなった。

昨日は中島みゆきの初期のアルバムをまとめて五枚ほど聴いていた。


で、前回ちょっと触れた「編集工房スワロウデイル」の記事は数回分が一つの画面で読めるようになっていて、「見返しに地図のある本」という話題が何回か続いている。その中にアーサー・ランサムの話題があったのはたまたま画像検索か何かで見て、気になったから読んでいただけである。

ところが「見返しに地図のある本」という話題の中に天沢退二郎の児童文学「オレンジ党シリーズ」の話題もあって、それもついでに読んでいたら、以下のような箇所があった。


ところで《中島みゆき》と私は、私は中島みゆきさんにお会いしたことはないけれど、もう十数年来、つまりシンガーソングライター中島みゆきのデビューより何年も前からの御縁があるということを《中島みゆき》についてこれまで私が書いた文章やこれから書く文章が本になろうというからには、やはりまず書いてはじめとしなければなるまい。何といっても十数年前にこの私のペンが、中島みゆきという名の少女を生み出したのだから。
もっとも当の私自身は、そのことを忘れていたか、あるいはもっとはっきりいって、知らなかった。《中島みゆき》の熱烈なファンになり、つまりすっかり入れあげて何年もたって、たまたま自分が一九七二年に書いて七三年に出した長篇少年小説を読みかえす必要があって読みかえしていたら、なんとあざやかに、中島みゆきという名の少女が、ちょい出ではあれ二度も姿を見せているではないか。


何と、中島みゆきの不思議な話題が、このような形で出てくるとは。何の気なしに読んだのだが、よくよく考えれば中島みゆきの曲をまとめて聴いた日にこれを読むというのは奇遇といえば奇遇で、本来もっと驚くべき事件だったのかもしれない。

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