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2020年に「9割捨てて10倍伝わる要約力」を読んでどう感じたか【書評】

表紙をめくってまず飛び込んでくるのが、「死んでもこれだけは言っておく!を見つけること」という強烈なコピー。
要約力とは何ぞや、アウトプットするのに必要な能力と思いますが、以下に感想を記します。
日本実業出版社から献本いただきましたので、さっそく読んでみました。

本の紹介

タイトル:9割捨てて10倍伝わる要約力
著  者:山口 拓朗
出版社 :日本実業出版社
出版日 :2020/7/20

どんなことを学んだか

情報過多の現代の中でいかに情報を収集し自分の中で理解する。早く簡潔に人に伝えることができれば素晴らしい武器になり、一度身につけるとどこでも通用するスキルになるということを学びました。また、その方法について簡潔に書かれているので以下に紹介します。
(繰り返しますがネタバレ注意です。)

要点①~要約の3つのステップ

要約は、①情報収集→②情報整理→③情報伝達」の3ステップで
・必要十分な情報を集める - ステップ①情報収集
・情報をグループ分けする - ステップ②情報整理
・簡潔に相手に伝える   - ステップ③情報伝達

「要約」と「料理」は似ています。「食材(=情報)」がなければ「料理=(要約)」はできません。と述べられています。

そして、収集した情報をグルーピングし、優先順位をつけ、アウトプットする確率が高いものを手前に、低いものを奥において、必要に応じて効率よく情報を取り出せるようにします。

最後に、これまでストックした情報を行います。「何を伝えるか」を決めるだけでなく、「何を伝えないか」も決めることが大切です。と、書かれています。

振り返ると、私も、SNSなどで大量にリアルな情報が流れているのをまとめたり、それをキー(アイデア)にしてさらに検索しています。

同じことを見たり聞いたりしても解にたどり着く時間は人によって変わってますので、まずは情報を仕入れるスキルは必要と思います。「伝えないこと」についてのスキルも必要と感じました。

要点②~情報収集の段階から「本質」を見極める

情報の本質を見抜く力は、「要約力」を強化するうえで極めて重要です。インプットの段階から本質を見極めることができれば、要約の精度がより高まります。
本質とは「物事の根本的な性質や姿」のこと。情報収集するときに、表面的に見えている情報だけを収集するのか、本質まで収集するのか、その違いが、最終的なアウトプットで”決定的な違い”を生み出します。

本質を見抜くために必要なことは、「観察力」と「洞察力」を鍛えることが必要。まず観察力を鍛え、次に洞察力を鍛える。観察によって認識する物事の量を増やすことこそが、本質を見抜く力(=洞察力)のパフォーマンスを上げる唯一のアプローチなのだと筆者は言います。

エンジニアの世界でもよくあることと感じます。お客様から言われた一時現象(例えば不具合情報報告)を見て根本の原因に辿り着けるかは、それまで経験した同様な事象の本質を理解していて、現在起こっていることを「観察」しないと本質に辿り着けません。

場当たり的な行動をやめ、深く考えながら見極め、伝えられるように心がけたいものです。

要点③~「ひと言」で伝わる具体的なスキル

<死んでもこれだけは言っておく!>の意識を高めるには、ふだんから「ひと言」で言い表す意識を持ち、なおかつ習慣化することです。
(中略)
どんなことでも「ひと言」でいうクセをつけることで、物事の勘どころを押さえられるようになっていきます。

ものごとの断面を述べるのではなく、本質を捉えるために抽象化して話せれば及第点。それから「用件+結論優先型」「列挙型」のどちらかのテンプレートを利用して伝えるようにできると効果的です。

前者は、①用件②結論③理由④詳細の順に伝えることで聞く人の理解が深まります。後者は、①全体像②列挙1③列挙2④列挙3⑤まとめの順です。
具体的な使用例は、本書をお読みください。

いずれにしても、幹から枝、葉へと渡るように、全体像を把握して説明し、具体的、詳細的な例を挙げて進めるというのが効果的のようです。

まとめ

「要約」のゴールはアウトプットすること。具体的な数字や客観的な事実を加えて話をまとめるとさらにデキる人と思われるでしょう。また、アウトプットで人に話すときは、途中で確認する、「理解していない」を防ぐ確認の取り方も大事です。

最近、テレワークが進み、いろんな会社の人とWEB会議する機会が増えました。上手い進め方をする会社の方は、この確認が非常に上手いと思います。逆に慣れていない方は間が空いたり、考えている時間が長いので会議が長くなりまとまらない、伝わらない傾向にあります。

本書にある具体例を学び、メソッドを練習すれば本質をついてズバッとひと言で「要約」を言い表せるようになっていくと思います。

別書ですが、「0秒思考」という本も以前拝読しました。こちらでも思っていることをどんどん紙に書いて吐き出すことが大事。あとで要点をまとめることにより、同じようなシチュエーションになったときには解が容易に出せるとありました。

実践あるのみなので、私も、本書にあることを心にとめながら、伝え方のPDCAを回していこうと思います。

伝えるのが苦手という方は是非一読をおすすめしたい一冊です。

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