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金髪

ピッピッピーーーー

え、夢か、、、

よく思い出せないけど、凄く幸せな時間だった気がする

誰といたのかすら思い出せないけど、、

相変わらずお昼を食べれないMTG三昧の日々を送っている

お陰で嫌な事を思い出せずに済んでいるから、やる事に追われていて良かった

明らかに忙しすぎるうちの部署に他部署から異動してくる人がいるらしい

どうやら女の子のようだ

僕はぶっちゃけ女の子が多い課のほうが嬉しいけど、年下の女の子とどう仕事の割り振りをしたらよいのか分からず、チームで仕事する事があまり得意ではない

だけど、今度くる女の子も僕の下につけると課長に言われた

今1人男の子に仕事教えてるのに2人同時に面倒みるのもなかなかしんどい

しかも全く違う畑にいた子らしく、用語やシステムの使い方から一から教えないといけないらしい

え、今この状況の僕に託す仕事か?

同じチームの同期の女の子に振っちゃおうかなー

絶対新しくくる子もそっちの方がよいよなー

まぁとりあえずやり始めてたからだなー

(異動初日)

フロアーがいつになくざわついている気がする

何事だ

今会社はフリーデスクで、異動してくる人とはslackのDMでやりとりしていた

初日だから緊張しているのか早めに着いてしまったと書いてあった

入社6年目だから、、28ぐらいかな?

ほぼ10個下だな、、、

ちょっとこっちも緊張するな、、、

珍しくドキドキしながら、いつも自分達が座る付近のデスクを見渡す

明らかに異彩を放つオーラを放ってる子がいる、、

そして、その子の周りだけやたら空いてる

みんな眩しくて近づけてないんだ、、、

絶対あの子だよな、、、、、

声をかけて見ようとした途端、、振り返る彼女と目があう

女の子「もしかして、鈴木さんですか?」

ぼく「あ、関根さん?」

関根「はい、関根あいりです。今日からよろしくお願いします。」

ぼく「こちらこそ」

正直びっくりした

何がびっくりしたって

金髪なのだ

社会人になって、金髪の子オフィスで初めてみた

マーケティングの部に元々いた子らしいからファッションのセンスとかもなんかぶっ飛んでる

立ち上がるともっとびっくり

身長がぼくと変わらないぐらいある、、、

完全にモデルやん

顔も整っててリアルに外人なのかとも一瞬思ってしまうぐらいだ

いやーちょっと待て、、

僕この子の扱いマジでわからない

何を話してもキモいと思われそうで怖い

あいり「なんか私浮いてますよね、、」

ぼく「いや、いい意味でね。(笑)髪の色明るい人あんまりいないからかな」

あいり「ですよね、、染めてこようと思ったんですけど、、間に合わなかったです、、」

ぼく「まぁお客さまの前に出る事とかないし、似合ってるからいいんじゃない?」

あいり「...ありがとうございます(にこ)」

か、かわいい、、

今日から一か月異動者の為に週3で出社

週3で会えるのかー

これ多分仲良くなれるやつだよな

会社にいる女性はみんな平均的にレベルは高めだったけど、こんなに喋るの緊張するのは初めてだ

緊張する=嫌われたくない

そう、嫌われたくない

27歳との距離感わからない

あいり「鈴木さんDMの感じと見た目違いますね」

ぼく「え、本当?それ、どっち?w怖い?怖かった?」

あいり「怖いというか冷たい人なのかなってちょっと思ってて、だけど、優しそうで安心しました」

ぼく「え、怖かったの?wでも業務連絡を数回しかしてないよね?wあのやり取りで優しさ出すのむずく無い?」

あいり「確かに、、ww」

お、笑ってる

なんか良い感じだ

割と普通に喋れてるボク

頑張れアラフォー男子

あいり「鈴木さん伊達メガネですか?」

ぼく「いや、リアルメガネ」

あいり「ですよね」

ぼく「え、オフィスでわざわざ伊達メガネかけるやついるの?w」

あいり「私割とします」

ぼく「え、あ、そうなんだwこのフロアにいるメガネの人は全員リアルメガネだと思うよ」

あいり「そうなんですねw」

やばい、質問がぶっ飛んでるw

この子この部署での仕事本当にやりたくて異動してきたのかな、、、

急激に不安になってきた、、

仕事のつまらなさが僕のせいみたいになったらどうしよう

それだけが心配

ぼく「じゃ今日は必ず使うシステム系のアカウント申請を全部やろうか」

あいり「はい!」

カチャカチャカチャ

ぼく「あ、マウス使わない派?」

あいり「そうですね、ショートカットのが早い事多いので」

え、出来る子なのかも

OAスキルは少なくとも高そう

この部署で僕以上にOAスキルある人に会ったことなかったけど流石今時の子

それだけでも即戦力だわ

それにしてもこの見た目で、このスキルは良い意味でギャプありすぎる

(1時間後)

ぼく「よし、大体完了かな」

あいり「ありがとうございます。ちょっとお手洗い行ってきていいですか?」

ぼく「もちろん、じゃ続きは午後にしようか」

あいり「はい!ありがとうございました」

席に戻ると隣の課の後輩が話しかけてきた

後輩「鈴木さん朝からずっとニヤけてますけど、大丈夫っすか??」

ぼく「え、うそw」

後輩「まぁあの子と話したら誰でもそうなりますよね」

ぼく「ちょっと緊張してるw」

後輩「でも絶対仲良くなれるじゃないですか、ランチ誘うんですか?」

ぼく「いや、それちょっと迷ってて、誘ったほうがいいかな?でもキモいよね?」

後輩「めちゃくちゃ前のめりになってるじゃないっすかw誘ってキモがられるとこみたいんで誘ってみてください」

ぼく「いやだわw初日で嫌われたらこの先地獄すぎるわ」

彼女が戻ってくる

あいり「お先にお昼いってきます」

ぼく「あ、いってらっしゃい」

後輩と目が合う

ぼく「あぶねーーーー当たり前に先約あったやん。よかったーー誘わなくて絶対キモがられてたやん」

後輩「まぁまだチャンスありますよwなんなら僕も誘ってくれてもいいですよ」

ぼく「なんでやねん」

もはや学生のノリみたいになっている

でも彼女は間違いなくこのフロアに舞い降りた天使みたいな存在だ

1日でそのインパクトがフロア中に知れ渡っているのが分かる

その子と一緒に歩けるっていうのが、ちょっとステータスでもあった

一か月でどれだけ仲良くなれるかだな

た、楽しみだ