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【3分読書メモ】「悪意とこだわりの演出術」(藤井健太郎)を読んで

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■基本情報

書名:悪意とこだわりの演出術
著者:藤井健太郎
出版元:双葉社
出版日:2016/8/19
ジャンル:企画術
読書メーター:https://bookmeter.com/books/11230507

■気になったポイント(引用文+コメント)

ADの頃、ある先輩に教わりました。 「現場では、みんなが焦っているときに落ち着いている風に振る舞って、みんなが落ち着いてるときに焦ってる雰囲気を出すと、優秀そうに見える」と。

<メモ>常に周囲との差別化を図れるか考えるべし。差別化を意識すれば、自ずとメタゲームの攻略法が見えてくる。

正直、テレビ業界の人はダサい人が多いです。とくに僕らより上の世代、テレビにもっとパワーがあった頃の人たちはカルチャーに疎く、アートワークやデザインに弱い人がほとんどです。バラエティ番組がデザイン的にカッコいい必要は本来ないんですけど、ダサいのは良くない。「カッコいいから見よう」とは思わなくても、ダサいからなんとなく敬遠されることはあると思います。

<メモ>テレビ番組に限らず、「外見」がイケてない(ダサい)とそもそも内容を見てもらえない。ここでいう「外見」とは、他の言葉に代用可能である(記事ならタイトル、アイキャッチ画像など)。自分が企画した記事を執筆する時は、外見(タイトル・アイキャッチ画像・リード文など)で読者を惹きつけられるよう工夫する。そうでなくとも、最低限リード文には気をつける。

ちょっと大袈裟な言い方ではありますが、『クイズ ☆ タレント名鑑』で僕らが松島さんをサンプリングのように掘り起こし、新しい味付けをして下の世代に伝えたように、古くても良いモノ、面白いモノは、その時代時代に合った解釈やエディットを加えて、残していけるといいなと思っています。

<メモ>自分が今までに「面白い!」と思ったことを書き留め、それが過去に流行ったものなら、例え時代遅れに感じても現代風にアレンジできないか考えてみる(例:流行しているイベント等と結び付けてみる)。

爆破って現場だと盛り上がるんです。やっぱり目の前で爆破が起きれば誰だって興奮するし、面白く感じる(中略)「どういう流れで爆破に至ったか」「どういう状況での爆破か」、そういうことが一番大事で、それによって全く面白さが変わってきます。でも、現場で見ちゃうと勘違いしてしまいがちなんです。全く同じ話ではないかもしれませんが、「笑い」にも似たようなことが言える気がします。

<メモ>笑いには経緯や状況が大事で、何の意味も感じられないギャグやリアクションからは笑いが生まれない(ことが多い)。お笑い系のネタを考える際は、必ず前フリとオチを考えること。もしオチ(ボケ)から思いついたなら、そのオチが最も面白く映えるような前フリを考えること。

ちなみに、こういう小ネタの遊びを繰り返していると、実際にはなんでもない部分でも「アレにもなんか意味があるんじゃ?」と、熱心な視聴者が勝手に深読みしてくれるようにもなります。逆オオカミ少年状態です。そんなときは、あたかも用意してあったネタかのようなフリをすれば、ちょっと余分に感心してもらえる、というラッキーがあったりもします。

<メモ>面白いコンテンツを作れば、ユーザーは能動的になってくれる。能動的になったユーザーは、作り手が特に意識していない部分でも深読みしてくれる。深読みしてくれるユーザーの中にある種の誤解が生まれた時、そのコンテンツはどんな形であれ評価されている。SNSが発達した現代において、作りてが意識しない誤解(ユーザーの反応)は、即座にシェアされる。シェアされた誤解が波紋を呼び、コンテンツをヒットへと導いてくれる。

【こんな人にオススメ】

・テレビ業界の最前線を走るディレクター陣の脳内に興味がある人
・媒体に関わらず企画の立て方で悩んでいる人
・「水曜日のダウンタウン」の裏話に興味がある人

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