卵巣嚢腫体験記④ 〜会社で号泣事件から入院初日の様子まで


『いのちの車窓から』星野源


病院に持ち込んで入院初日に読んだ源さんシリーズ。
『蘇える〜』ではダデアル調とデスマス調が混在していたのが気になったけど、今作では統一されて文章が洗練されていると思った。内容も、病気を乗り越えたからかすごく柔らかくなった感じがして、自分のことよりも知り合いの誰かのエピソードが多く、日々の些細な出会いや出来事を大切に、命のありがたみを噛み締めながら毎日を過ごしているんだろうなと感じとれた。
これからの星野源にも注目していきたい。

君の声を聞かせて
雲をよけ世界照らすような
君の声を聞かせて
遠い所も 雨の中も
すべては思い通り
星野源『SUN』

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2018/1/28

診断結果が出たので、改めて会社の部長以下管理職の方々に、自分の口から説明した。
周りに男性社員しかいない今の職場で、婦人科の病気のことを言うのは正直勇気のいることだったけど、温かい言葉をかけてもらった。

休みをもらう前の最後の出勤日、よりによって次々と新たな仕事が入ってきて、定時には仕事を終わらせられなかった。しかし、いつもはほぼ全員で残業している係員達も、この日は金曜日ということもあってか定時で仕事を終わらせていた。
なるべく迷惑をかけたくない、という思いもあり焦っていると、大丈夫かと声をかけてくれたり手伝ってくれたりした。

すると、ふと涙が出てきて気付けば嗚咽するほどに泣いていた
ティッシュを差し出してくれたり仕事が終わるまでただ待ってくれる人もいた。
思い出すだけで恥ずかしい。
後で母に言ったら、普段表情変わらないからびっくりさせちゃったんじゃないの。そういう時はトイレに行かなきゃダメよ、と言われた。
もう職場では泣かないと決意した。

そして、ついに入院日。
ワンメーターの距離だがタクシーで朝10時に病院へ。
程なくして看護師さんに呼ばれ、2階へ。

いきなり赤ん坊の泣き声が聞こえてきた。
入院病棟は大部屋で、すでに2人の患者さんが入院していた。
その2人は理由はよく分からないが同じような境遇で入院している妊婦さん達で、ご飯の時にはカーテンを空けて他愛もない会話をする間柄で、新参者かつ境遇も違う私はすこし肩身が狭かった。
度々病室に響き渡る赤ちゃんの心音。
なんだか異空間。


その日は看護師さんに入院生活の流れと、先生に改めて手術の説明をされただけだった。
することも特にないので眠るかテレビを見るか読書をするかで時間を潰した。

ご飯は結構豪華だった。

産婦人科で出た食事


面会時間は20時までだが18時過ぎに母は帰ってしまい、話し相手もいなくなる。

シャワーを浴びて、21時には消灯。
明日がいよいよ手術か。
2時間ぐらいゴロゴロしていたが、いつのまにか眠りについていた。

(体験記⑤続く……)

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