卵巣嚢腫体験記⑦〜完〜


『図書館は逃走中』デイヴィッド•ホワイトハウス

読書が捗る捗る。
母を亡くし、ネグレクトかつ暴力的な父親とそのガールフレンドと暮らし、学校ではいじめに遭っている少年が、とある母娘と出会い、移動図書館で町から逃走する。
“本”をテーマにさまざまな工夫が凝らされており、作中に実在の文学作品が登場するのが嬉しい。
少年の境遇は作中で本人が自分と照らし合わせているように、マチルダやハリーポッターと似ているが、魔法が使えるわけでも空を飛べるわけでもない。
タイトルからイメージしていた冒険ファンタジーとは程遠く、極めて現実的な方法で決着が着く。
イギリス小説というよりアメリカ小説的で、登場人物や出来事の描写がシュールでもある。
生命の誕生に触れ合ったばかりだからこそ、本当の家族とは、という問いには刺さるものがあった。
#図書館は逃走中 #デイヴィッドホワイトハウス

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体験記⑦

いやーな退院診察を終え、だらだらしながらもう一夜を過ごし、1/26(金)無事に退院。
大部屋で一緒だった妊婦さんたちが、無事に出産できるように祈りながら。
傷の痛みは相変わらずで、とても引くとは思えなかった。ところが、日に日に痛みを感じる場面が少なくなっていき、1/29からは家の近くの店で外食できるまでになった。1/30には電車に乗って円山のドクターズカフェへ。お世話になったところとは別の婦人科の先生が監修したメニューを用意しているお店。
1/31(水)手術からちょうど1週間。起き上がる時の痛みも遂にほとんど感じなくなった。退院後初めての検診で再び婦人科へ。病理検査結果も良性だと知らされ、経過も順調。先生には、もう普通でいいよ。今回はもうこれで終わりで。また半年後ぐらいに検診に来てもらおうかな。と言われた。一件落着。
ただし、再発の可能性は十分あるので油断は禁物。これからも検診に行くことが重要。


卵巣嚢腫は、いつから出来たかもなぜ出来たかもわからない、事前に予防することのできない病気。
もし実家に住んでる時で、仕事も特に忙しくなければ、もっと早く病院に行って、見つけることが出来ていたかも…とか、実は母は子宮筋腫、叔母は子宮内膜症を患っているので、婦人科の病気についてもっと知識をつけておけば…と思わないこともない。
それでも、発見以降は、不幸中の幸いと言っていいほど、順調にことを進めることが出来た。その要因を箇条書きにしてみる。

○外来から手術まで全て受け持ってくれて、なおかつ小規模ですぐに予約が取れる婦人科が、家の近くに会ったこと
○腫瘍があること以外は万全の健康状態であったこと。(閉所恐怖症、ぜんそく、アルコール耐性が弱い、貧血、他の婦人科の病気を併発している、等の問題があったら、ここまでスムーズにいってなかったと思う)
○心配•理解•世話してくれて、見守ってくれる家族、友達、会社の人たちがいて、とにかく人に恵まれたこと

ということで、改めてこの幸運に感謝。今まで自分のことに全く関心がなくて、自分の体に気を使ったこともなくて、病院に行くことを避け続けて来たから、神様が釘を刺したのかも。ゆっくりたっぷり自分と向き合う時間をもらえて、病気に感謝。
生命の誕生を目の当たりにする機会を持てて、人生観も少し変わったかもしれない。
生きるって素晴らしい!
明日からはまた普通の生活に。頑張りすぎずに頑張ろう。
(終わり)
(いのちは続く)

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