過程を楽しめば自分のために料理を作れるようになる 「自分のために料理を作る」
自炊に苦労しているわけではないけど、何か物足りないし、自分のために作るのは面倒くさい。
レシピ本を買っても、そこそこ自炊が出来る故なのか、自分が怠惰だからなのか、数品作って、本棚の肥やしになる。
別に料理が出来ないわけではないのに、なんでだろう。何がいけないんだろうと思っていました。同じような悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか。
その悩みに対するアンサーになるかもしれない本、それが、山口祐加さん著の「自分のために料理を作る: 自炊からはじまる「ケア」の話」です。
自分のために料理を作るのは億劫
この本は、山口祐加さん(と星野概念さん)の自炊レッスン(面談+料理レッスン)を通じて、「自分のために料理ができない」と感じている世帯も年齢もばらばらな6名の参加者の気持ちをほぐしていく様子が描かれています。
料理は複雑な仕事
この本にも書いてあるのですが、そもそも料理って非常に複雑な仕事です。
例えば、献立を考えるとき、本書には以下のように書かれています。
人によってまちまちかとは思いますが、なかなかレベルの高いお仕事ではないですか?
たぶん、普段の仕事ではここまで頭使ってない可能性もあります…w
それだけ料理は難しい、高度なことにチャレンジしているんだ。と思えば、少しくらい思うように行かなくても自分を許してあげるのことができるかなと思います。
理屈がわかれば過程を楽しめる、過程を楽しめれば料理が楽しくなる
私は料理には必ず名前があるものだと思ってました。
本書でレッスンを受ける方も、そのように考えている方がいて、非常に共感できましたね。別にレシピを見れば料理はできるけど、毎回同じものを作ってしまう…みたいな。
例えば、「豚の生姜焼き」という料理がありますが、材料は、豚肉、玉ねぎ、生姜、酒、みりん、醤油、砂糖、これらを炒めるのが基本になると思います。
これを肉、野菜、タレ、炒める、に分解するといろんな料理になる。たしかに!!!
別に肉は鳥でもいいし、野菜はピーマンでも、手羽元にして煮込むのもありです。
このように料理の材料と工程を分解してやることで、今冷蔵庫にあるもの、スーパーで安いものをその場で買ってアレンジができるようになります。
私はこれでかなり買い物、料理に対するハードルが下がりました。
あとは、「美味しく感じる理由」と「下処理の重要性」です。
人は料理の重さの大体1%の塩味で美味しいと感じる、味が薄い、物足りないという場合は塩を少し加えると良い。醤油も味噌も、本質は塩味で、風味が強いため、これらを加え過ぎると料理が醤油や味噌で支配されてしまいます。
そういう時は塩をひとつまみ加えて味を整えると。
なるほど…ちゃんと、塩ひとつまみにも意味があると…。
このように料理の理屈がわかると、レシピがなくてもなんで、これをしないといけないのか。どれくらい加えればいいのかが、なんとなく理解できるようになります。
そうなると、自分で料理できる感も出て、料理の過程を楽しめるようになりました。
食べたいものを食べればいい
この本は、別に自炊しろ!とかいう本ではなく、あくまで自炊したい人がどうすれば無理なく自分のために料理を作れるようになるための本です。
山口さんも外食はするし自炊したくない気分になる時はある、SNSにアップできないクオリティのご飯を食べることもたくさんあると語ります。
外食や惣菜、弁当など、ただ食べるだけなら、事欠かない訳ですが、その中であえて、自炊にチャレンジするすべての方に読んでいただきたいなと思います。
山口さんの解説+6人の受講生の変化の過程の中で、あなたの悩みに近い人がおそらく見つかるでしょう。
ではまた!
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