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音読

リワークでは認知行動療法や心理教育のプログラムだけでなく、音読や朗読といったプログラムも用意されています。音読をすること自体とても久しぶりだったのですが、意外とすらすら読めていた自分に驚きました。

さて、学校では当たり前のように行われている音読ですが、得意な子もいれば苦手な子もいます。苦手な子が音読を得意になるためには何が必要なのでしょう。それに関して、今井(2024)の指摘が参考になります。

読むことが不得意で、読むスピードが遅い子どもの困難は、すらすら読むために脳の中で高速で自動的に行われるはずの認知処理がうまく実行できていないことに由来することが多い。多くの場合、それは習熟の問題である。

「学力喪失」(2024)今井むつみ,岩波新書

学校現場では何かと宿題に回されがちな音読ですが、習熟という点から見ると、音読量を確保することに関しては宿題でもよいのかもしれません。しかし、皆さんももしかしたら経験があるかと思いますが、読んだフリをすることが至って簡単にできてしまいます。やはり、授業で音読を鍛えることが必要なのではないでしょうか。

いやいや、授業で音読をする時間なんてありません。そんな声が聞こえてきそうです。何を隠そう私も、授業では音読を軽視していた一人です。なぜ音読が大事なのか、土居(2021)は音読を次のように定義しています。

音読は「読むこと」の枠に収まりきらない非常に広く基礎的な力である。読解力や国語科学力、全体的な学力とも相関があり、それらの基礎になっていると言える。

「クラス全員のやる気が高まる!音読指導法」(2021)土居正博,明治図書

先日、算数の文章題に関する投稿をしたのですが、算数においても読解力は大切です。算数だけでなく、全ての教科において大切とも言えるでしょう。

しかし、音読をどうやって指導するか、大学ではそんなことは教えてくれません。また、職場でもとりあえず音読をさせているような状況も見受けられます。そこで参考になるのが土居(2021)で提唱されている三原則です。

ハキハキ
スラスラ
正しく

「クラス全員のやる気が高まる!音読指導法」(2021)土居正博,明治図書

記事の冒頭でリワークでも音読を行なっていることを書きましたが、大人でもこの視点で音読できていない人はたくさんいます。まずはこれを徹底することから始めてみるのがよいのではないでしょうか。

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