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新しい創作用アプリをリリースすることへのためらいについて

新しいアプリをリリースするときって、どんなことを考えますか?

どんなすごいことが起こるのかワクワクする?
人がたくさんきたらどうしようってドキドキする?
誰も来ないかもってハラハラする?

たぶん、なんか色んな気持ちが少しずつ混じり合ってるのかな。

でもこんな気持ちになったことってないですか?

リリースしてもいいのかな。

っていう。

とはいっても、「バグが出たらどうしよう」とか「人がたくさん来たらどうしよう」とか「酷評されたらどうしよう」とかそういうことじゃなくて、

なんか、ただ、ぼんやりと「出していいのかな、これで」っていう気持ち。

感じたことありませんかね。

今、現在進行形でそれを感じているので、それを書こうと思います。

nocone

私が今作っているのはnoconeという創作者向けの(ノート)アプリです。

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いわゆる文章とか書いたりメモとか残したりするための(ノート)アプリです。
機能紹介はこの文章の本筋じゃないので割愛するのですが、これを書くときもnoconeを使っていて「これは便利だな」って思う程度のアプリです。

今、使ってるぐらいなので、(デザインとか気になるところはあるとはいえ)リリースできるはリリースできるのですが、直前になってすごい勢いでためらいの波が襲ってきています。

なぜなのか。

考えてみたのですが、たぶんこれは構想と出来た物との差によって産まれているんじゃないかなと思います。

「これじゃない。俺が考えていたのはもっと面白いやつだった」
というアレです。
機能が足りないとか動きが鈍いとかデザインがいけてないとかそういう部分じゃなくて、ぼんやりと「世界観がズレてるんじゃないか」という不安。それがためらいに繋がっている気がします。

もともと、noconeっていうのが何を目指していたのかというと、「ノートアプリ」じゃなくて「ノートをつなげるアプリ」でした。
ノートっていう物体を表現したかったわけじゃなくて、ノートとノートの間にあるつながりを表現したかったんです。

作りたかった物

理想的な構想

できたもの

現在の状態

これはただのノートアプリでは?

使えるとか便利とかそういうレイヤーじゃなくて何か作りたかった物と違う感が半端ないのです。自分が作りたかった物の世界観を全然表現し切れてないというか、沸き立つコレジャナイ感。

みんなこの辺のズレってどういう風に修正してるんでしょうか。それともズレることなんてそもそもないんでしょうか。

そもそも本当は何がやりたかったのか。

基本的に私の開発姿勢として「自分が使いたいけど誰も作ってくれないものを作ろう」というのがあるので、今回もそうしようと思いました。

そう考えたときに、私が欲しかったのは「つながり」でした。
つながりといっても、SNSとかそういう人と人とのつながりではなく、物語を作るときの工程と工程の繋がりというのがいいんでしょうか。

大雑把に物語を書くときってこんな感じで工程が繋がっていると思うんです。

知識とか知見をInputする

アイデアに昇華させる

ストーリーとかシーンとかキャラクターとか世界観とか諸々練る

読者に受け入れてもらいやすい形に組み立てる

物語を作る

どこかにOutputする(応募、Web公開、頒布など)

途中の工程は人それぞれで順序もバラバラだったり何回も繰り返したりする工程がありますが、大体こんな感じだと思います。

で、Outputする場は昔から多くて、小説家になろうを始めとしてたくさんのプラットフォームがあります。
世界観やキャラクター設定を練るアプリは昔はあまり多くなかったのですが、最近はだいぶ増えてきました。
アイデアという観点ではブレストアプリなどが世に色々あって、全体的に創作に関する環境はゆっくりかもしれませんが着実に進歩している。という感じがします。

ただ問題なのはこれらを上手く接合するアプリがないなというところ、だと思ったんです。


つまり上のフローでいう、矢印の部分です。これをどうにかするというのを「つながり」と呼んでいました。

上から下まで全部フォローするめちゃくちゃすごい完璧なツールがあればいい話なんですが、たぶん小説書きを全員満足させるだけでももの凄いコストがかかります。
(SFと推理小説とホラーと現代物と歴史物と学園物と異世界物と純文学を全部1つでフォローできる?)

でもどうにかしたい。

で、考えたのは「餅は餅屋」ということで、みんな好き勝手使いやすいツール使っていいよ。でも、noconeと繋げば適当にまとめておいて文章書きやすくなるよ、というところだったのです。
(小さい専用アプリをnoconeの周りに配置して、必要に応じてデータ連携するという構造)

なので、noconeは2つの性格を持っています。
1. 長い文章を書くドキュメント機能(物語を作るに該当)
2. いろいろな設定や構想をまとめるメモ機能(物語を作るよりも上の段全てに対応)

で、2番は一応nocone上でもできるけど、よそでやってもらってこっちにImportだけしてもらえればいいよというそういう構想になっていました。

という気持ちで、もう一回この図を見ましょう。

理想的な構想


で、できている部分がこう。

現在の状態

うーん?

なんかちょっとアプリの世界観の外縁しかできてない――未完成、みたいなそんな印象。
でも、この中核の部分が進められるのは、このアプリがある程度使われるようになってからなのかな、みたいな。でも何か未完成な感じのまま出すのも気持ち悪い……。

デッドロックとまでは言わないけれど、グルグルと同じようなところを思考が巡り続ける。

こういうときって、みんなどうしてるんでしょうか。

1. そのまま出しちゃう?
2. もうちょっと考える?
3. アプリの世界観を考え直す?

多分、私が第三者の立場でこの答えを出してくれって言われたら、間違いなく「1」を推します。MVPだとかユーザーに使ってもらうのが一番の検証だ、とかいろいろ言うと思うんです。

でも、なんか当事者だと変に悩んじゃうところがありますね。

nocone
https://www.note-connect.com

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