見出し画像

【私の勝負曲】赤から黄色、白から黒へ

1. 僕の勝負曲、B'zの「ねがい」

この仕事に就きたい、お金持ちになりたい、あの人に会いたい、あの人と結婚したい。願いには色んな種類があると思うんです。例えば僕の場合、高校・大学の受験に受かりたい、陸上の試合で自己ベストを出したい、といった願いが過去にありました。

そんな願いを叶えたいと思ったときには、必ずB'zの「ねがい」を聴いていました。

「ねがい」は1995年に発売されたB’zの16枚目のシングルで、15枚目のシングル「MOTEL」に引き続きミリオンを獲得しました。「ねがい」のMVでは、稲葉さんの水蹴りシーンが凄く印象的です(YouTubeのMVはショートVer.なので見れないですが)。このMVは、神奈川県横浜市のベリーニの丘内部にある、水のホールと呼ばれる場所で撮影されています。

熱心なB’zファンの方々は、ベリーニの丘まで聖地巡礼をしに行っているみたいです(僕もいつか行ってみたいのですが、実際に水のホールへ入場できるかは全然分かりません)。MVのサムネイルのように、水を蹴り上げたようなポーズで写真を撮っている人、車のナンバーが「178」でボーカルの稲葉さんの名前を刻んでいる人を見かけたら、B’zファンだと思っていただいて結構です。ベリーニの丘は横浜ビジネスパーク内の施設の一つで、PREZZOというレストラン&ショップも併設してあります。聖地巡礼のついでに軽くお茶や食事とかもできると思うので、足を運んでみてはいかがでしょうか。

個人的な「ねがい」のベストテイクは、2008年のPleasureで演奏されたものです。B'zのサポートメンバーである増田隆宣さんの美しいピアノの演奏から始まり、最後に松本さんと稲葉さんが寄り添って歌う姿がとても印象的です。

この「ねがい」という曲、実は総合格闘技の弥益ドミネーター聡志選手の入場曲として使用されています。たまたま2020年大晦日のRIZINの試合を観ていて、弥益選手の入場とともに「うお!B’zやん!」と歓喜しました。しかも、普通のバージョンではなく、”BUZZ !!” STYLEの「ねがい」を流していたので、かなりコアなB’zファンなのでしょう。ちなみに2021年4月から博士課程の学生である僕は、弥益選手と生命科学の研究で修士号をとっているという共通点があるので、勝手に親近感を覚えています。

弥益選手がなぜB’zの「ねがい」を気に入って、自身の入場曲にしているのか正確な理由は分かりません。おそらくこの曲は、弥益選手にとって闘争心を高めてくれる大切な曲なんだ、と勝手に推察をしています。これまでに僕はこの曲に何度も背中を押され、願いをたくさん叶えてきました。そんな僕の人生にとって欠かせない存在であるB’zと出会ったのは、約10年以上も前のことになります。

2. B'zとの出会い

B'zは言わずと知れた有名アーティストですが、中学1年生の頃は「ultra soul」を歌っているグループ?くらいの印象しかありませんでした。

陸上部長距離パートの1個上の先輩の家に遊びに行ったある日、先輩が色んなアーティストの曲を盛り込んだ特製焼き増しCD(以下、先輩's The "Mixture")を貸してくれました。家に帰ってから先輩's The "Mixture"を聴くと、中にはB'zの「イチブトゼンブ」が入っていました。

「なんだこのカッコいい曲は!!」

そう思った僕はB'zの虜になり、アルバムを片っ端から聴きまくって、中学2年生の頃に初めてB'zのLIVE-GYM(Ain't No Magic)に参戦しました。10年以上経った今もずっとB'zファンです。あの時、先輩が先輩's The "Mixture"を貸してくれなかったら、今頃B'zファンではなかったことでしょう。

3. 背中を押してくれた「ねがい」

さて、ここからはB'zの「ねがい」がここぞというときに僕の背中を押してくれた、具体的なエピソードを綴ろうと思います。

先ほど書いたように、中学校の頃は陸上部の長距離パートに所属していました。毎年冬には駅伝大会が開催されるので、その駅伝大会に向けてひたすら練習をしていました。少なくとも毎日10 km以上は走ったんじゃないでしょうか。今思うと、よくあれだけ走り込めたなと思います。

特に辛かったのは、4:30/kmのペース走を40分くらいした後にやる、100 mのインターバル走。砂地のグラウンドを縦断するように一気に走り抜け、ジョギングでスタート位置まで戻り、また走り出す。これを1セットとします。2-3日に1回くらいのペースで、そのペース走+インターバル走を15セットくらいやってました。毎日足がもげそうだったのを覚えています。

先輩's The "Mixture"を貸してくれた先輩が中学3年生で僕が2年生の頃、毎日の練習の甲斐あって、地区の駅伝大会で3位入賞という結果を残せました。あの時は凄く嬉しかったです。運動が苦手でとにかく自信がなかった僕は、初めて他の人に言えるような実績が残せた瞬間でした。

その駅伝大会の前夜には、B'zの「ねがい」を聴いていました。弥益選手がリングに上がる時と同じように。

「ねがい」にはこんな歌詞があります。

願いよかなえ いつの日か
そうなるように生きていけ
僕は僕に 君は君に
拝みたおして泣けばいい

駅伝大会の前夜にこの歌詞を何度もリピートしながら、明日は絶対いい走りをする!と自分に言い聞かせました。結果的に駅伝大会では良い走りができたので、僕の「ねがい」はちゃんと叶ってくれました。先輩's The "Mixture"を貸してくれた先輩にとってはラストの駅伝大会だったと思いますが、この結果でおそらくCDを貸してもらった借りを返せたんじゃないでしょうか。

「ねがい」に関するエピソードは、これだけでは尽きません。

僕は受験勉強中にも「ねがい」を聴いて勇気をもらっていました。中学3年生の時の僕は、陸上部の練習が終わった日も塾で夜11時くらいまで勉強し、高校3年あるいは大学4年生の時の僕は大学・大学院進学のための勉強は少なくとも1日10時間くらいしていたと思います。結果的に、高校受験には落ちて、大学と大学院受験には合格したのですが、3回の辛い受験勉強と真摯に向き合い、とことん頑張れたのは、毎晩B'zの「ねがい」を聴いて勇気をもらっていたおかげだと思います。

誰のためでもない
流れ落ちそうなこの熱い涙は

将来叶えたい夢がある、勉強したいことがあるなど、志望校を目指す理由は様々です。しかしながら、受験戦争を勝ち抜いて上位の学校に行くことは、おそらく家族や友達、恋人のためではなく、自分自身のためですよね。毎晩眠気と戦いながら頭に知識を叩き込む作業は本当に辛くて泣きそうだったけど、正しい努力をすれば必ず結果はついてきます。

受験勉強の経験がある方は分かると思いますが、本当に辛いですよね。常に教科書や参考書の問題と向き合って、何百何千時間も勉強に費やして、受かるか分からないプレッシャーの中で成績を少しでも上げて、いざ本番に挑む。大変だったな、あの時は。

大学・大学院の合格発表の時は、心の底から喜びました。ちゃんと自分の努力が報われて、「ねがい」が叶ったのは、そうなるようにちゃんと生きてきたからだと思います。

4. 出演したラジオ番組で「ねがい」の配信をリクエストした

大学入試を終え、志望校に入学します。大学時代は地方国立大の農学部に所属しており、主に生命科学を学んでいました。

大学での活動といえば、学業だけではなく、部活動やサークル活動もありますよね。僕は陸上部と国際交流団体に4年間所属していました。国際交流団体では、日本人学生と留学生が繋がるイベントを企画・運営し、国際色豊かなキャンパスづくりに励んでいました。大学3年生の時に偶然、この活動が地方のラジオ番組に高く評価され、ありがたいことにラジオの生放送に出演させていただいた経験があります。その時に好きな曲を1曲だけ流すことができたので、B’zの「ねがい」を流してもらいました。同席していた女の子は、僕たちの世代に合ったGreeeenの曲を流していました。そのせいで、同い年なのにジェネレーションギャップを凄く感じました(2人とも同じ1996年生まれの大学3年生)。B'zの曲をリクエストした僕は、おそらくスタジオの中で一番渋くてROCKだったと思います。

そのラジオ番組の中で、「ねがい」の歌詞の一部を紹介させていただきました。

どこでも行ける きっと行ける
赤から黄色 白から黒へ

赤から黄色、白から黒へ。深い歌詞だと思いませんか?

絵具を混ぜて新しい色を作り出せるのは、皆さんご存知だと思います。例えば、緑を作りたいときには青と黄色を混ぜ合わせますよね。つまり、青から緑、あるいは黄色から緑を作り出すことができます。ところが、複数の色を混ぜ合わせても作れない色が存在するんです。

赤に何色を混ぜても黄色にはなりません。白に黒以外の何色を混ぜても黒にはなりません。つまり、「赤から黄色 白から黒へ」という歌詞は、不可能を可能にする、どんな願いでも叶う、といったを意味を持ちます(諸説あります)。この部分が個人的に「ねがい」で一番好きな歌詞です。

この意味を自分の体験談と絡めて説明すると、ラジオ番組のパーソナリティの方は大変感心したご様子でした。同席した女の子も僕の説明を気に入ってくれて、「ねがい」だけでなく他のB'zの曲を聴いてみたいと興味を持ってくれました。ラジオ出演はこれが人生初で、国際交流団体の活動を周知できる良い機会だったし、自分の好きな曲をリクエストして流すことができたので、本当に貴重な経験でした。

当時は偶然ラジオ出演の話が舞い込んできて、流石にこれからはラジオ出演とは縁がないと思っていましたが、最近自分の友達を誘ってラジオ(podcast)をやっているので、人生わからないこと尽くめです。

5. 今の僕の「ねがい」

あなたが今1番叶えたい「ねがい」は何ですか?

僕の「ねがい」は、がんや免疫疾患に関わるタンパク質の機能を解き明かし、これまでにない新しい知見を得ることです。その成果が医薬品の開発・社会実装へと繋がると、もう最高ですね。

この「ねがい」は、陸上の試合や志望校合格に向けた受験勉強とは全く異なり、叶えるのに凄く時間がかかりそうな「ねがい」ですが、根気よく頑張っていきたいと思います。「どこでも行ける きっと行ける 赤から黄色 白から黒へ」って稲葉さんが言っていたので。

研究の話はまた別の記事にまとめたいので、ひとまずこの辺で筆を置こうと思います。

それでは。

この記事が参加している募集

部活の思い出

私の勝負曲

私のイチオシ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?