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WBC決勝 髙橋宏斗の圧巻の投球を振り返る

みなさんこんにちは。大盛況となった第5回WBCは日本が激戦を制し、3大会ぶりの優勝という形で幕を閉じました。
視聴率も全ての試合で40%を越えイタリア戦はWBCの過去最高記録を叩き出しました。日本だけでなく、各国の反響も大きかったように感じます。

私も毎日テレビにかじりつきながら観戦し、1試合だけ東京ドームに足を運びました。

私の贔屓球団である中日ドラゴンズからは1人、髙橋宏斗投手が選出され、見事な活躍を見せたので今回はその活躍、特にアメリカ戦を振り返ってみようと思います。

昨年の活躍を振り返ったnoteもあるので合わせてお読みください。


大会通しての成績

大会通しての試合別投球成績と通算成績は以下の通りです。

試合別投球成績
大会通算成績

本塁打を1本浴びましたが、それ以外は彼の強みである高い奪三振能力を遺憾なく発揮した完璧に近い内容でした。

決勝 vsアメリカ

特にアメリカ戦の投球は圧巻だったので、BaseBall Savantを使って細かく振り返っていきます。


打者1人目 vs Mookie Betts

1球目 97.5マイル(156.9キロ) ストレート 2177回転 サード内野安打

打者2人目 vs Mikie Trout

1球目 97.1マイル(156.2キロ) ストレート 2185回転 ボール見逃し
2球目 97.4マイル(156.7キロ) ストレート 2214回転 ボール見逃し
3球目 89.3マイル(143.7キロ) スプリット 1460回転 空振り
4球目 96.9マイル(155.9キロ) ストレート 2158回転 ファウル
5球目 88.3マイル(154.9キロ) ストレート 2145回転 ボール見逃し
6球目 88.4マイル(142.2キロ) スプリット 1124回転 ファウル
7球目 89.3マイル(143.7キロ) スプリット 1488回転 空振り三振


打者3人目 vs Paul Goldschmidt


1球目 97.0マイル(156.0キロ) ストレート 2158回転 ボール見逃し
2球目 97.4マイル(156.7キロ) ストレート 2254回転 空振り
3球目 97.2マイル(156.4キロ) ストレート 2284回転 ファウル
4球目 89.7マイル(144.3キロ) スプリット 1551回転 ボール見逃し
5球目 96.8マイル(155.8キロ) ストレート 2090回転 見逃し三振


打者4人目 vs Nolan Arenado


1球目 89.8マイル(144.5キロ) スプリット 1293回転 ボール見逃し
2球目 96.0マイル(154.4キロ) ストレート 2089回転 ボール見逃し
3球目 88.7マイル(142.7キロ) スプリット 1467回転 レフト前ヒット


打者5人目 vs Kyle Schwarber

1球目 96.4マイル(155.1キロ) ストレート 2098回転 ボール見逃し
2球目 95.8マイル(154.1キロ) ストレート 2158回転 ボール見逃し
3球目 88.0マイル(141.5キロ) スプリット 1647回転 ボール見逃し
4球目 95.8マイル(154.1キロ) ストレート 2112回転 センターフライ

ストレート平均球速:96.7マイル(155.7キロ)
ストレート平均回転数:2163回転
投球数:20球 ストレート:13球(65%) スプリット7球(35%)
Zone%:40..0%
Whiff%:33.3%

この投球を見た感想としては「素晴らしい」、この一言に尽きるでしょう。
ボールはほとんど低めに制球されており投げミスも四球もなく、中継ぎ1イニングとはいえストレートとスプリットのたった2球種でランナーを背負いつつもTrout選手とGoldschmidt選手から三振を奪うなど、メジャーリーグ最高クラスの打者達を文字通り力でねじ伏せてみせました。

課題を挙げると、ストレート平均回転数は他の投手に比べて少ない(空振りが少ない)こと、球種が2つであることでしょうか。
ストレートの回転数が増えてより多く空振りが取れるようになり、他の球種も武器にできればメジャーでタイトル争いをするまでの投手になるかもしれません。

今回対戦した打者はメジャーリーグのタイトルホルダーばかりで、彼らを相手に自分のパフォーマンスを存分に発揮出来たということ、しかもその経験を代表20歳という若さで出来たことは必ず今後の力になってくるでしょう。

この試合を受けて、髙橋投手の中にはメジャーへの興味が湧いたようです。
それだけでなく、ダルビッシュ投手から変化球を教わり、大谷投手とは配球に関する話をし、それ以外の投手からもたくさん刺激をもらったようです。

長いようで短い日本代表としての期間だったと思いますが、彼ならばこの経験を全て自身の力に変えてドラゴンズの、それだけでなく球界のエースになってくれるはずです。

また彼の活躍がプロはもちろん、アマチュア球界にいる彼と同級生の選手には大きな刺激となったことでしょう。
それだけ、20歳という若さの彼が選ばれたことに大きな意味を感じました。

いつか彼がドラゴンズを優勝に導き、更にその先の海を渡りメジャーリーグで活躍することを願って締めさせていただきます。
読んでいただきありがとうございました。

■出典


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