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【心の故郷】「森山直太朗のにっぽん百歌」と「迢空百歌輪講」

富久浩二さん撮影

ふるさとや遠い記憶に想いを馳せる。

そんな時、心が震えずにはいられません。

[テキスト]
■森山直太朗のにっぽん百歌

■迢空短歌の方法

■釈迢空短歌語彙「ひそけさ」「かそけさ」のゆくえ

森山直太朗さん曰、「にっぽん百歌」の主役は、日本中にある素晴らしく面白い景色たち。

もしも、こんなところで、こんな歌を歌ったら面白そう、という直感を優先して、楽しさ追い求めて、考え過ぎずに場所を決めているそうです♪

ここで、視聴回数の多い曲を、何曲か紹介しておきますね(^^♪

森山直太朗「花」

森山直太朗「夏の終わり」

森山直太朗「生きてることが辛いなら feat.瑛人」

森山直太朗「生きとし生ける物へ」

森山直太朗「愛し君へ feat.石崎ひゅーい」

森山直太朗「君は五番目の季節」

森山直太朗と友部正人「こわれてしまった一日」

森山直太朗「人のことなんて」

森山直太朗「しまった生まれてきちまった」

森山直太朗「コンビニの趙さん」

そう言えば、以前に、

「我こそは森山直太朗の代打で歌ってみせる!」

という

「わたしだけのにっぽん百歌」

と題した、僕(森山直太朗さん)の代わりに歌ってくれる歌い手を募集していたのですが、日本中にある素晴らしい景色達に魅せられて、昔から、多くの人が、その地へと足を運んで、歌にしています。

例えば、奈良時代、国司として越中(現在の富山県)に赴任した大伴家持は、能登半島にも、度々足を運んでおり、748年(天平20)、その能登巡行で、気多大社(現・羽咋市)に参詣した折に詠んだ歌が、万葉集に収められました。

「之乎路(しおじ)から 直(ただ)超え来れば 羽咋の海 朝凪ぎしたり 船楫(ふねかじ)もがも」

家持は、「万葉集」の編さんに携わった1人として知られていますが、この歌が詠まれてから、約1200年後、家持が見た同じ日本海の風景を訪ね、歌にした万葉集の研究者がいました。

それが国文学、民俗学の研究者・折口信夫(歌人、詩人としては釈迢空(しやくちようくう)と名のった。)です。

「気多の村 若葉黒ずむ 時に来て 遠海原の音と 聞きをり」

「気多の宮 蔀(しとみ)にひびく 海の音 耳をすませば 聴くべかりけり」

彼の短歌の読み方については、成瀬有氏の「迢空百歌輪講Ⅰ迢空短歌の読み方」が参考になります。

折口氏の足跡は、羽咋市を中心に、今も、色濃く残されています。

生涯の中で、足しげく通った羽咋市は、折口氏にとって、

「構想の地」

であり、心の故郷でもあったそうです。

心の故郷がある人は、そこに帰ると、緊張緩和、不安減退がもたらされ、生命力が、補強されるといわれています。

例えば、 正宗白鳥のいう心の故郷とは、

「夢幻裡の故郷」、

想念上のものでした。

正宗白鳥の随筆「心の故郷」

皆さんには、そんな

「心の故郷」

がありますか。

ここで、参考までに、釈迢空の短歌を紹介しておくので、色んな心の風景(故郷等)を感じてみて下さい(^^)

「山深きあかとき闇や。火をすりて、片時見えしわが立ち処(ド)かも」

「遠き代の安倍(アベ)の童子(ドウジ)のふるごとを 猿はをどれり。年のはじめに」

「ながき夜の ねむりの後も、 なほ夜なる 月おし照れり。 河原菅原」

「葛の花 踏みしだかれて、色あたらし。この山道を行きし人あり」

「山の際(マ)の空ひた曇る さびしさよ。四方の木(コ)むらは 音たえにけり」

「この島に、われを見知れる人はあらず。やすしと思ふあゆみの さびしさ」

「ゆき行きて、ひそけさあまる山路かな。ひとりごゝろは もの言ひにけり」

「山岸に、昼を 地(ヂ)虫の鳴き満ちて、このしづけさに 身はつかれたり」

「髣髴(ケシキ)顕(タ)つ。速吸(ハヤスヒ)の門(ト)の波の色。年の夜をすわる畳のうへに」

「むさし野は ゆき行く道のはてもなし。かへれと言へど、遠く来にけり」

「水底[ミナソコ]に、うつそみの面わ 沈透[シヅ]き見ゆ。来む世も、我の 寂しくあらむ」
(釈迢空『海やまのあひだ』より)

「いまははた 老いかゞまりて、誰よりもかれよりも 低き しはぶきをする」
(釈迢空『倭をぐな』より)

「雪しろの はるかに来たる川上を 見つゝおもへり。斎藤茂吉」

「みつまたの花は咲きしか。靜かなるゆふべに出でゝ 処女らは見よ」
(釈迢空『倭をぐな 以後』より)

「年暮れて 山あたゝかし。/をちこちに、/山 さくらばな/白く ゆれつゝ」

「冬山に来つゝ/しづけき心なり。/われひとり 出でゝ/踏む/道の霜」

「かさなりて/四方(ヨモ)の枯山(カラヤマ) 眠りたり。/遠山おろし 来る音の/する」

「歳深き山の/かそけさ。/人をりて、まれにもの言ふ/聲きこえつゝ」

「ひそかの心にて あらむ。/旅にして、/また 知る人を/亡(ナ)くなしにけり」

「みなぎらふ光り まばゆき/昼の海。/疑ひがたし。/人は死にたり」

「遠く居て、/聞くさびしさも/馴れにけり。/古泉千樫 死ぬ といふなり」

「まれまれに/我をおひこす順礼の/跫音(アノト)にあらし。/遠くなりつゝ」

「くりやべの夜ふけ/あかあか 火をつけて、/鳥を煮 魚を焼き、/ひとり 楽しき 」

「なき人の/今日は、七日になりぬらむ。/ 遇ふ人も/ あふ人も、/みな 旅びと」
(釈迢空『春のことぶれ』より)

「なかなかに 鳥けだものは死なずして、餌ばみ乏しき山に 聲する」

「雪を拂ひ 乗りてはおり行く人を見て、つくづくと居り。汽車のひと日を」
(釈迢空「遠やまひこ」より)

「人も馬も道ゆきつかれ死ににけり。旅寝かさなるほどのかそけさ」
(釈迢空『釈迢空歌集』(岩波文庫)より)

【参考記事】

【おまけ】


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