ロジラテ思考_イノベ塾「業績不振のハウジングメーカーが起こした起死回生のイノベーション」#A05
アメリカの中堅ハウジングメーカーが、シングルマザーやリタイヤ世帯向けにダウンサイジングした家の販売をしたときのお話です。
デザインも良く、使い勝手もよい設計で見学者達から好評を得ていたのですが、中々販売に繋がらず、あの手この手の対策をうっても成果が上がらなかった。
さて、彼らが起こしたイノベーションは何だったのか?
ロジラテ思考で分析していきます。
1.事例 ある中堅ハウジングメーカーの悩み
2.ロジラテ思考分析
1)何が起こったのか?
①ハウジングメーカーが提案したダインサイジングの家に興味をもつ
顧客(退職者、離婚者)がいることが分かった。
②見学者の要望は、広いリビング、カウンターが欲しいとのこと
③今もっているダイニングテーブルや家具の処理に悩んでいた
3.何故それが起こったのか?
【仮説】
①購入のきっかけは、本当に広いリビングなのか?
・きしみ 音 の し ない 床、 ステンレス 製 の 電化 製品などを
用意しても購入に至らないことから考えると・・・?
②いままで使っていたダイニングテーブルを気にかける理由は何か?
・単に捨てることが面倒なのか?他に理由があるのか?
・見学者自身が、何故そうなのか理由が分かっていないのではないか?
【課題】
ダウンサイジングの家が気に入っているのに、なぜ購入しないのか
本当の理由を明らかにする
4.何をする?(戦術)
①来場者に意見を求めても、見学者自身が本当の理由を説明できない
可能性がある
②見学者と対面した営業担当者を交えてアンケートの分析を行い、
見学者の本当の欲求を明らかにする
5.分析の結果、わかったこと
見学者の多くはリタイヤした人や離婚歴のある人で、以前の生活の真ん中にダイニングテーブルがあり、思い出が詰まっていて手放すことができないで困っている。
つまり、思い出が詰まったダイニングテーブルや家具との共存が購入の条件だった。
6.ハウジングメーカーが起こしたイノベーション
ハウジングメーカーが起こしたイノベーションは、思い出が詰まっている家具を、いつでも触れられる環境を提供することでした。
つまり顧客が本当の求めていたことは、人生の思い出と向き合える場が欲しかったのですが、顧客自身がそこに気づいていなかったということです。
それを叶えるために、以下の施策を提供したところ売上げが30%あがったそうです。
7.顧客の欲求
マーケティングには、いろいろな方法があります。
まずは困り事を顧客に聞くことです。その次はマーケットリサーチです。
しかし、顧客の発信する情報をそのまま受け取ってしまうと、間違った施策をしてしまうことが多々あります。
なぜなら顧客自身が、何に困っているのか言葉にできないからです。
ロジラテ思考で注意深くお客様の発信する情報を分析していけば、イノベーションの種が見つかります。
8.ロジラテ思考分析
以上をロジラテ思考ノートで記録していくと、イノベーションの種が見つかります。この記録をメンバーと共有すると新たなイノベーションへと繋がっていきます。
是非、ロジラテ思考を試してみてください。