AIは、人間の仕事を奪えない
ChatGPTが普及し、近い将来人間の仕事はAIに奪われるとメディアはさかんに喧伝しています。
あかたもシンギュラリティー(AIが人類の知能を越えた時)が間近に迫っているようにです。
果たして、本当にそうなんでしょうか?
今日は、わたしたちの仕事がどのように変わっていくのか考えてみました。
1.AIのやっていることを観察すると。。。
現在のAIは、人類の過去の情報を分析してアウトプットしています。
つまり温故知新のアウトプットです。
その意味では、定常業務は間違いなく自動化されてAIに代替されていくでしょう。
しかし、AIには絶対に理解できないことがあります。
それは人の矛盾や不条理から生まれる変化です。
人の矛盾や不条理は人間の意識から生まれます。
意識は新たなニーズやイノベーションの源泉ですが、脳のどこの部位で意識が創られているのか未だ解明されていません。
人間の脳細胞は860億個あるそうです。
さらに1個の脳細胞に、1万本のニューロンがあって他の脳細胞のニューロンと繋がりながら記憶を司っています。
もし、ニューロンの繋りのなかで意識が芽生えているとしたら、いずれAIも世界中のコンピュータと繋がれば、意識が芽生えてシンギュラリティーが訪れるかもしれません。
2.イノベーションの変化に順応できれば生き残れる?
さて本題です。
AIは、本当に私たちの仕事を奪うのかについて話を進めます。
過去を遡ると、人類は似たような経験をしています。
それは18世紀のイギリスで起こった産業革命です。
それについて面白い文献があったのでご紹介します。
普通に考えれば機械化されて生産性が上がれば、それまであった職人の仕事は失われます。その替わり工場で働く人の仕事が生まれます。
しかし、なぜ工場の労働者は痛手を受けたのでしょうか?
その答えは投資家が機械に投資したお金を回収するまで、労働者の賃金は上がらなかったからです。
もう一つ、面白い記述があったのでご紹介します。
この事例を見ると、2つの面白いことが見えてきます。
1つ目は、新たなイノベーションが起こると、失われる仕事もあるが同時に新しい仕事が生まれること。
2つ目は、18世紀の産業革命の時代は、生産性向上と投資の回収速度が遅かったため労働者の賃金が上がらなかった。しかし、現代は投資の回収速度が速くなっている。
3.どんな人が生き残れるのか?
生き残れる人材とは、新たなイノベーションの変化の中で、自分が学ぶべき事を見つけて学習⇒体験⇒知識の体系化ができる人です。
事例の通り、単なる集計屋が財務を学んで経理の専門家になった人が新しい仕事を手に入れました。
しかも、産業革命の時代とは比べものにならないほど条件のよい労働条件で。。。。
では私たちは、AIの浸透によってどんなアドバンテージを手に入れることができるのか?
それは、「時間」です。
定常業務がAIによって自動化されれば、当然人の仕事が減ります。
つまり個々の自由な時間が増えることになります。
例えば、古代ギリシャ時代に遡ると、奴隷という新たな労働力を手に入れました。その結果ギリシャ人達が手に入れたものは、自由に考える時間です。
彼らはこの時間を使って人間の矛盾や不条理の本質を哲学に落し込み、アリストテレスやプラトンなど偉大な哲人が現れました。
つまり、自由な時間を学習⇒実践⇒知識の体系化に充てて新たなイノベーションを起こしたり、変化に対応していく人が生き残っていく時代になったということです。
なんだか面白い時代になってきたと思いませんか?
皆さんはいかがお考えでしょうか?
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