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再雇用者の「賢い働き方」。老後楽しく生きるためには65歳までの働き方が勝負です。

多くの企業は、60歳定年制を採用し、65歳まで再雇用をしています。

一見すると、雇う側、雇われる側にとってWinWinのように見えますが、現実はそうではありません。

たまたま会社が求める能力を持った人材であれば、その人は65歳まで生き生きと働くことができますが、そういうケースは希です。

多くの場合は作業に近い仕事ばかりで、その人が長年培ったスキルや能力を活かせる仕事ではありません。

今日は再雇用者の現実と、リタイヤ後のためにどのような準備をすべきかについてお話します。

1.定年を迎えた日に起こること

管理職は一般社員になり、上司部下という関係性は無くなります。

会議やメールは殆どなくなり、忙しく仕事に追われていた日々を懐かしく思うようになります。

毎日やることもなくネットサーフィンしたり、自分とは関係のない他部署の日報や報告書を読んだりしても、時間を持て余すばかりの毎日。

これが5年も続くと考えると、壊れていきそうな不安に苛まれます。

2.なぜこんなことになってしまうのか?

これは、企業が定年退職者を活用する仕組みができていないことが原因です。

例えば人に仕事を任せる場合、責任、権限、職制の関係は以下のプロセスを踏んで成り立ちます。

仕事には責任が伴う。

責任を果たすには、権限が必要だ。

権限は、職制(課長、部長など)によって決まる

その仕事に相応しい職制の人に任せる。

この考え方だと、職制を持たない再雇用者は、責任や権限を持って仕事をすることは出来なくなります。

実に悩ましい問題です。

2.「自分は何ができる人か?」の問いに答えられるか?

さて現状の組織構造で、再雇用者の能力を活かすにはどうしたらよいか?

それには2つの方法があります。

一つ目は、会社から特命の仕事を頂くことです。


例えば、その人ならではの人脈やスキルを使って、会社に貢献することですが、こればかりは運に左右されます。

運良く特命の仕事があり、それに合致した能力・スキルがあれば、職制と仕事を与えられますが、こういったケースは希です。

二つ目は、自分の能力(「強み」)を活かした仕事を創る。


自分の能力(「強み」)を活かす仕事を考え、自ら会社に提案することです。

例えば、経理を担当していた人なら、決算書の見方や作り方、決算書から読み解くリスクマネジメントなどの社員向けセミナーを企画すれば、経営陣は必ず喜びます。

例えば、上級幹部でマネジメントをしてきた人なら、マネジメント経験とマネジメント理論を体系化すれば、ひとつのコンテンツになります。
それを社内セミナーに転用すれば、経営陣は必ず喜びます。

私は次の2つ提案をし、採用されて5年間やりましたが、この間にセミナースキルを高めて今はマネジメントセミナーの講師をやっています。

一つ目、現役時代に作ったメディア人脈を広報に繋ぐ仕事をした。

二つ目、ドラッカーマネジメント教室を開校し、ビジネスマネジメントを社員に教えていた。

3.再雇用の間、何を考え何をすべきか?

まずは、50歳になったら定年後の自分の居場所を考えましょう。

日頃、自分の仕事をロジラテ思考で分析すると、自分の特性、能力、強みがはっきりと見えるようになります。

※ロジラテ分析とは、すべてのことをWhat,Why,Howで分析すること
What 何が起こったのか?

Why 仮説立て ⇒ 何故それが起こったのか?
   課題設定 ⇒ 複数の仮説の中から、成果に繋がる問題点を洗い出す

How 戦術立て ⇒ 課題をクリヤするための実践プランを立てる

ロジラテ思考で、日ごろの活動を分析すれば次のことが見つかります。
・自分が得意とすることは何か?
・得意でも好きでも無いが、継続的にできていることは何か?

を見つけ出す。

それが見つかったら、ひとつ選んでやり続け、60歳までに体系化する。

65歳まで体系化したコンテンツで、会社に貢献できる場を創って実践する。

4.「個人事業者」の薦め

ちょっとテーマから外れますが、コンテンツが出来上がってきたら、社外で活用してマネタイズできるかどうか試しておくといいです。
※金額の多寡は問いません。

もし、商品化できそうなら青色申告の個人事業登録をお奨めします。

理由は、完全リタイヤしたら確定申告は自分でしなければなりませんが、年金受給だけの申告だと経費は認めらません。

ほんの少額でもマネタイズできるのであれば、青色申告の個人事業登録すれば経費の計上もできますし65万円の控除を得ることができます。

雇用延長期間は、自分のコンテンツを創って会社で実践し、それを試す5年間だと考えて、50歳から準備を始めてみませんか?

65歳になったら、「あぁ あのとき頑張って良かったぁ」と思える日が必ずきます。


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